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幻想奇譚

甘味の神託

作者: 秋暁秋季

注意事項1

起承転結はありません。

短編詐欺に思われたら申し訳御座いません。


注意事項2

作者は大勝利でうっはうはです。


「久しぶり、渡。きっと今日、君にいい事があるよ」

「それは果たして……」

そこの守神として君臨なさる御前は、春風の様に笑みを一つ零し、僅かに目を見開いおいでです。言葉の真意を知る事もなく、きょとんとしていると、御前はただ笑って私を唐門まで案内なさいます。


久方振りに訪れた第二の故郷は、狂い咲きの紅葉が印象的で御座います。真緑に混ざる一部の真赤が秋を偲ぶ様なのです。もう既に冬を迎える今で御座いますのに、それを美しいと感じるのは、配慮が足りないでしょうか。

在りし日の鳩の旋回はとうになく、存在するのは僅かな羽音のみ。それでも、まだ此処に社が存在する事が、あの日々を偲べる事が、史上の喜びかと存じます。ですのでまた、あの時を嗜みに参ります。

久方振りに訪れた甘味処の入口に、ちょこんと二階建てのカプセルトイが並んでおります。個人経営でこの設置は大変珍しい……。そう思って品揃えをしげしげと観察していると、理由は直ぐに分かりました。このお店の看板商品が景品に含まれているのです。

あの日々を忘れもしません。何となく街を歩いていたら、偶然にも此処を見つけた事。老舗料亭の様な落ち着いた雰囲気にも関わらず、お人も、甘味も、全て馴染みやすい場所だった事。此処のものを食べたら、他の甘味処に参るのを躊躇ってしまった事。一度長い休業が、暗い影を落とした事。それでもこうして、また再開をさり気なく祝福した事。全て、全て、ありありと記憶に浮かんで参ります。そうしてその青春の一頁が、別の形で広まったのです。この心情は筆舌に尽くし難いと言うもの。

私はそっとプラスチックのカバーに触れ、餡蜜の絵を一撫で致します。願わくば、この思い出の品が、私の元に届きますように。何時でも飛び出して、思い出に浸る事が出来ますように。

そんな祈る気持ちで硬貨を投入口に差し込みます。沈みゆくゴトン、ゴトン、とした金属の音。ダイヤルの静かな重さ。抵抗に逆らう様に回転させると、中から一つ、景品が落ちて参りました。

此処からでは中身が良く見えません。解説書がくるりと物に巻きついているのです。焦らす様に、守るように。逸る気持ちを落ち着けて、球体をずらす様に捻ると、中から愛らしい景品が出て参ります。

「……っ!!」

これからの予定が決定致しました。


「空様、空様。ご信託はこれだったのですね。私、本当に嬉しくて、嬉しくて、御礼に参った次第で御座います」

私の手に挟まれて居たのは、甘味の景品。此処に来て、感動を覚えたあの逸品。餡蜜です。多種多様な果実も、氷菓も、あの時のまま。垂れ下がった暖簾は夏に見るもの。セピア色の思い出をそのまま抜き取った様なもの。

「喜んでくれたなら良かったよ」

眠いと話が捻れる癖をどうにかせねば。

如何、本日の日記。食レポと怪文書が九割九分と、メソポタミアの話が一厘だけあります。


有名ところの餃子食べた後の話。

初手ニンニク強めでガツンと。

後から肉の優しさとキャベツの爽やかさて後腐れないお味。

胃にもたれにくいから、食べ終わった後にも餃子想像する様な。


前に話していたカプセルトイ、結局我慢出来ずに回した人間です。結果、大勝利!! 悔いはありません。

内心、(´ᴖωᴖ`)フヒヒ 状態です。


ガチャを発見する。

ガチャにしがみつく。

崩したお金を問答無用でねじ込む。

『餡蜜来い餡蜜来い餡蜜来い餡蜜来い餡蜜来い餡蜜来い。なんなら此処のカプセルトイだけ、全て餡蜜で……』

と心の中で唱えながら回す。

勝利しました。~完~


でも食べたのは餡蜜じゃありません。

キューブ型のころころした珈琲ゼリーです。

ちゃんとほろ苦くて、丸こいアイスと食べると(っ'ヮ'c)<オイシィィィィという反応。

寒天美味けりゃゼリーも美味しい。

何食べても美味しい( '-' )



メソポタミアっぽい、地下迷宮ぶらりんちょしてました。

眠いので、忘れなければ。

ウルク好きな方は雰囲気味わえますよという話。

でもちょっと涼しい。

夏場の方が寒かった不思議な場所。

あの薄暗い中で、ぼんやりと明かりが灯るのが良いんです。

『もうすぐ現実に引き戻されます』

という忠告文にセンスを感じます。


あ、凄い、アンデルセン先生。

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