表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
1/17

00 予

 日本を遠く離れたここリチア砂漠で、恋人の承子は悪鬼に憑かれ、いまにもおれに襲いかからんと殺人衝動に眼を赤く燃やしている。窓の外では、巨大なテンポブロッケンとして時間球の中に現れた〈ツィエーロ〉が、すでに何人もの技師や物理学者――新東西陣営エリートの、多くは超能力サイ・タレントを備えた時間風の調査隊員たち――を血祭にあげていた。〈神〉の嘲笑は、どす黒い塊となって、おれの右脳の中でますますうねり、脹らんでいく。くそっ、おれの機械感応力サイ・マシーノはどうなっちまったんだ! 怖れていた能力の枯渇が、よりにもよってこの瞬間に訪れたのか? だが、おれの唯一の親友、思考機械であるブラック・ハムからの返信はない。このまま死ぬのか? ようやく真の意味で心を開いてくれた承子に首を絞められ、〈兄貴のいる〉極楽浄土に向かわねばならないのか?

 沢村の意識が拘泥こうでいした。だが、まだだ! まだおれはくたばる気はない。最後の気力を振り絞って、沢村はそう思った。そして己の能力を、今度は恋人、承子に向けて全解放した。


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ