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ルドルフとソフィア 2

ルドルフとソフィアが出会ってかなりの月日が経過しても定期的にふたりは遭遇?していた。寧ろルドルフがソフィアを誘うことが増えていた。

逢瀬を重ねるにつれてルドルフはソフィアへの気持ちを募らせた。


「ルド様、ご機嫌麗しゅうございます。」

「ああ。ソフィア、今日は珍しい茶葉が手に入ってね。一緒に飲もう。」


ある日、ルドルフとソフィアはお茶をしようとしていた。


「はい。嬉しいのですが…」

「どうかしたのかい?元気がないようだが…」

「あの…えっと…」

「もしかして、また誰かに虐められたのか?」

「…」

「ソフィア、教えてくれないか?」

「でも…ルド様にご迷惑がかかって…」

「迷惑なものか!君を護りたいのだ!」


ルドルフはソフィアの手を握る。


「私、とあるご令嬢にルド様に近づくなと言われてしまったのです…」

「っ!!誰だ!?可愛いソフィアにそんなことを言うなんて!」


側近たちもルドルフの発言に同意している。


「…公爵令嬢の…」

「ま、まさかメルティなのか!?」

「…きっと、私がルド様と頻回に会っているのがいけないのですわ…

学院へ通い始めたときも、下位貴族が由緒ある学院へ通えるだけでも有難いのだから、ウロチョロしないことね!と私を階段から…」

「ソフィアと俺が出会ったときのことか!?」


ルドルフが問うとソフィアは頷く。


「でも、私が悪いのです…」

「君は何も悪くない!悪いのはソフィアを虐めるメルティだろ!?公爵令嬢ともあろう者が虐めなどするとは…」

「殿下、宜しいでしょうか…?」


側近の一人が声を掛けた。


「どうした?」

「ソフィア嬢を虐めているのはコーラル嬢とその取り巻きで間違いないかと。

私はソフィア嬢が取り巻きの令嬢たちに呼び出されているのを見ました。」

「それは本当か!?」

「はい。」

「お前は何故それを俺に言わない!?」


ルドルフは側近を睨みつけた。


「る、ルド様、私が黙っていてほしいとお願いしたのです…」


ソフィアは涙を流す。


「ルド様に余計な心配をおかけしたくなくて…」


そんなソフィアをルドルフは抱きしめた。


「ソフィア、俺は君が好きだ!メルティとは婚約を破棄し、君を妃として迎えたい。」

「で、でも私は男爵令嬢です…身分が…」

「問題ない。どこか高位の貴族の養女になればいいのだ。」

「私、ルド様とずっと一緒にいられるのですか?」

「ああ。ソフィア。だから君を心配するのは私の特権だ。」

「ありがとうございます!私もルド様が好きです。

ずっとお側に置いてくださいませ。」


こうして、両想いになったルドルフとソフィア。

ルドルフの私的な誕生日パーティ(若い貴族しか参加していないパーティ)で参加者の目の前でメルティに婚約破棄を言い渡すという余興をすることになった。



ー·ー·ー·ー·ー·ー·ー



パーティでメルティとの婚約破棄を宣言し、メルティが領地へ行ってから少し経過した。

国王と王妃が外遊先から戻ってきたと報せを受けたルドルフは婚約破棄をしたこと、ソフィアを新たな婚約者へ据えることを伝えるために謁見の間にいた。


「父上、母上。」

「ルドルフよ、貴様、やってくれたな。」


開口一番、国王はルドルフを睨みつけた。


「ルド、庇いきれないことをしてくれたわね…」


王妃も呆れ顔でルドルフを見る。


「父上、母上どういうことですか?」

「お前、自分が何をしたのか分かっていないのか…?」

「先日のことでしたら、私は真実の愛を…」

「それがくだらんと言っているのだ!

貴様、コーラル嬢が何者なのか分かっているのか?」

「何者と言われましても、この国の公爵令嬢…」

「コーラル嬢は確かにこの国で公爵位を持っているエリオット·コーラルの娘ではあるが、隣国の皇族の血が流れている皇位継承権を持つ姫君だぞ!」

「め、メルティがですかっ!?」


メルティの本当の名前は『メルティ·ローバンス·パーシヴァル·コーラル』であり、彼女はパーシヴァル帝国の現皇帝の姪にして、皇位継承権を持っている。

本人はそのことは知らないが、兄カイルは知っている。

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