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メルとレイ

メルティとレイモンドは挙式を無事に終えスペンサー邸へと戻ってきた。


戻ってきた瞬間から、メイドたちによって湯浴みへ連れて行かれ、全身を磨かれる。


「わかっていたけれど、こんなに薄いのね…」


夜着の素材は薄い…当たり前だとわかってはいたが、いざ着てみると余計に緊張しはじめてしまったメルティ。

しかし、メイドたちからは「この位は普通にございます!寧ろ、公爵様のご意向で普通よりも厚めになっておりますわ!」と興奮気味に言われてしまっては納得せざるを得なかった。


夫婦の寝室に入り、ソファへ座りレイモンドの到着を待つ。


「メル、入るよ?」


メルティの入ってきたドアとは反対側のドアからレイモンドの優しい声が聞こえる。


「はい、レイ様。」


ガチャ。とドアが開き湯上がりなのか頬がほんのり紅いレイモンドが入ってきた。もちろん夜着である。

「隣、座るね?」とメルティが返事をする前にソファに座る彼からは同じ香油の香りがする。

婚約してから今日まで、湯浴み後に会うことはなかったので不思議な感じがするのか、メルティがクスクスと笑う。


「どうした?」

「何だか、不思議な感じがして。本当にレイ様と結婚したんだと実感してきましたわ。」

「確かに。メル、俺と結婚してくれてありがとう。」

「こちらこそです。」


レイモンドの手がメルティの頬を撫でる。


「メル、愛しているよ…。」

「私も愛しています…。」


軽く口づけをして目を開けると、彼の真剣な眼差しに吸い込まれるような感覚がメルティを包む。


「メル……いい…?」


そう問われたメルティは静かに頷く。彼は手慣れたように抱き上げると彼女を寝台に運ぶ。


「加減はする…でも俺も緊張しているし…」

「大丈夫です。レイ様の全てを受け入れる準備はできてます…」

「ありがとう…。メルティ愛している…」


レイモンドからの口づけが軽いものから深いものになっていき、ふたりは心と身体が深く深く繋がったのだった…



ー·ー·ー·ー·ー·ー·ー



メルティが寝付いたのは空が白み始めた頃だろうか。

すーすーと寝息をたてる愛しい彼女の顔をみてレイモンドは幸せを噛みしめる。

一度は彼女のことを思って身を引いた。しかし、レイモンドは自分が思っていた以上にその決断を後悔していた。だが、今彼女は自分の腕のなかで幸せそうに寝ている。こんな表情が見られるのは自分だけだという優越感に浸りながら、最愛の彼女の額に口づける。


「メル…これからもずっと愛しているよ…」


彼女が起きないように抱きしめながら、レイモンドもゆっくりと目を閉じた。



ー·ー·ー·ー·ー·ー·ー



起きたのは昼過ぎだった。

メルティは目の前にある彼の顔を見つめる。

改めて、こんな素敵な人と自分が結婚して結ばれたことに照れるやら嬉しいやらさまざまな感情が湧いてくる。

一度は離れてしまったが、また彼と過ごせるこの日常がメルティにとっては幸せであり、何物にも代え難いことだった。

ふと、喉が乾いたメルティは彼を起こさないように寝台を抜け出し、ガウンを羽織ってから用意してあった果実水で喉を潤す。


「メル…?」と寝台から愛しい人の声が聞こえる。


()()も飲まれますか?」


メルティは彼を初めて敬称なしで呼んでみた。夫婦になったのだから、ふたりのときはいいでしょ?と言うような笑顔を彼に向ける。


「はは。やっと俺のメルが様を取ってくれた。それだけで嬉しい。ねえメル、俺にも果実水をくれる?」

「ええ。今注ぎ…」コップを手に取ろうとしたメルティに彼は笑顔で訴える。


「コップじゃなくて、君に飲ませてほしい。」

「つまり…?」


分からないほどメルティは子どもではない。

「駄目かい?」と甘えてくる彼のおねだりに「わかりましたわ…。」としか言えないメルティ。

メルティは果実水を口に含み彼に近づきそれを飲ませた。


「メルに飲ませて貰うと果実水もいつもより甘いんだね。もう一口くれる?」

「やっぱりレイは意地悪ですわ…」

「そうだよ、君にだけに。ね?」


メルティに断ることは出来ない。だって、メルティはどうしょうもなく彼を愛していて、自分ができることならば何だってしたいと思っているのだから。

メルティが果実水を飲ませると、彼はメルティを抱きしめる。

「メルが可愛いのがいけない…」と言い始め、ふたりはまた愛を確かめ合うのだった。

本当に完結となります。

過去2作では主人公たちの子どもを登場させていましたが、メルティとレイモンドの話しでは登場させるのはやめました。

(名前を考えるのが苦手でして…)


また、新しい妄想を糧に物語を制作していますので投稿したら読んでいただけたら幸いです。


お読みいただきありがとうございました。

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