ソフィア·ヴォーグ
ソフィア·ヴォーグ男爵令嬢のお話しです。
本編と若干の違いがあるかもしれません…。
彼女はこの国の男爵令嬢だ。両親は平民だったが商会が大きくなり叙爵された働き者だ。そんな彼女が7歳のとき。
「えっ!?えっ!?う、嘘!!
この顔、ソフィアだよね…?『君と出会ってから、僕の運命は変わる。』のヒロイン!
これって、異世界転生ってやつじゃん!」
前世の彼女の名前は金子美羽。ちょっと…いやかなり気の強い女性だ。
鏡に映ったとき急に前世の記憶を思い出した。そしてこの世界が乙女ゲーム『君僕』の世界だということも。
「うわー、本当に転生とかってあったんだ!すごっ!ってか私って何で死んだんだろ…
あーあ…こんなことならもう少し遊んでおけばよかった…」
美羽は男遊びがかなり激しかった。
「しかし、幼少期のソフィアって根暗ね…」
前髪で目元が隠れているし、表情も乏しい。
「よし!今日からはお店の手伝いなんなしないで、美しくなろう!そして、私の最推しのルドルフに見初められて、王妃になって優雅に暮らすわ!」
ー·ー·ー·ー·ー·ー·ー
その後ソフィアはとても美しい令嬢になることができた。学院へ入学してルドルフと懇意になることもできた。が、悪役令嬢メルティは一向に虐めにこない…
「何で、悪役令嬢が機能してないのよ!これじゃ…」
「ソフィア嬢、お困りですか?」
「あら?ご機嫌よう。」
声をかけたのはルドルフの側近の宰相子息。
「…ルドルフ様ともっと仲良くなりたいのだけど、婚約者がいるでしょ…」
ソフィアが言うと宰相子息は自分がサポートするからルドルフにとある方から虐めに遭っていると話して同情をかってみてはどうかと提案した。
「そうよ!自作すればいいのよ!」
ソフィアはウキウキで去っていった。
「はは。扱いやすい女で助かる。」
宰相子息は薄ら笑いを浮かべた。そして踊らされているとも知らずにソフィアは行動しルドルフの心を掴んでいき、側近の1人がパーティでの婚約破棄を提案したのだった。
結果、大勢の前でルドルフに婚約破棄を突きつけられたメルティは肩を落として会場から去っていく。
「いい気味だわ!」とソフィアは優越感に浸る。
その優越感がなくなるまでのタイムリミットが迫っているとも知らずに…
ー·ー·ー·ー·ー·ー·ー
「ソフィア·ヴォーグ、王族への虚偽疑惑で貴様を拘束する!」
「ちょ、な、なんでよ!?」
ある日、ソフィアは押しかけてきた騎士に拘束されてしまった。
連れてこられたのはボロボロの屋敷の一室。
「やあ、ソフィア·ヴォーグ」
部屋にいた人物をみてソフィアは驚く。
「カイル·コーラル…?」
「呼び捨てとは威勢がいいね。まあ、赦してあげるよ。なんたってお前は俺の可愛い妹と阿呆殿下の婚約破棄の功労者だからね。」
「ど、どういうこと?」
「ん?俺はね、妹と殿下の婚約をとても反対したんだ。だってあんな可愛い妹だぞ?俺が認めた奴でないと。ルドはその域には達していない。
お前が近づいてくれたお陰だ。その点は感謝しているよ…転生者。」
「な、なんで…それ…を」
ソフィアは震えだした。
「俺もだから?」
「えっ!?」
「お前、男爵令嬢の分際で王太子の婚約者になろうなんて、前世のゲームとか本みたいな物語が本当に起こると思ったのか?
それにお前、阿呆だろ?公爵令嬢で王太子の婚約者である妹に虐める暇があるわけないだろ?その点で転生者じゃないかと思っていたよ。
だから、そのままお前に自作自演をしてもらうように仕向けた。
さて、話しはここまでだ。お前の罪状は王族への虚偽報告と男爵令嬢という身分にも関わらず公爵令嬢を貶めたことだ。
お前にはパーシヴァル帝国の修道院で生涯を過ごしてもらう。」
「な、なんでよ!?どうして帝国なの!?」
「お前知らないのか?皇帝陛下は俺とメルの伯父だぞ?」
「う…うそ…」
「皇帝陛下は妹を貶めたお前が王国の修道院で過ごすよりも、厳しい帝国の修道院で過ごさせたほうがいいと仰ったんだ。
俺と妹は皇位継承権を持っているから不敬罪で牢屋に入れられるよりはマシだろ?あー、それとルドルフは王太子ではなくなる。立太子されたのは皇帝陛下のお力あってのことだったからな。」
「そ、そんなのシナリオに…」
「シナリオ…?もしかして、この世界はゲームかなんかなのか?」
「そ、そうよ!私はヒロインなんだから、幸せになる権力があるのよ!」
「くだらない…その女を連れていけ!」
騎士に連れて行かれるソフィア。いろいろと喚き散らして帝国の修道院へ入れられることになった。




