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婚約破棄の裏側とその後 2

ときはメルティが領地へ行ってから少ししてから、国王夫妻が外遊先から戻ってきた所だ。


「久しいな。レイモンド。」


ここは国王の執務室。


「陛下におかれましてはご健勝のこと…」

「堅苦しい挨拶はいい。本題へ入ろう。」


国王は年の離れた異母弟が何を言い出すのか予想がついていた。王城へ戻った直後に宰相から大まかに説明があったからだ。


「陛下、私とメルティ·コーラル嬢の婚約を認めていただきたい。」

「お前の気持ちは分かるが、コーラル嬢の気持ちはどうなる?」

「彼女の気持ちはこれから確認します。ですが、私と同じ気持ちなのは間違いないと自信を持って言えます。」

「ほう?その自信はどこから?」


国王は試すような視線をレイモンドに向ける。


「ルドルフが彼女を見初める前に私は彼女を見初めていました。ですが、当時の私はいろいろな柵を理由に彼女へ思いを告げることはできませんでした。

彼女もまた、私に思いを告げようとしてくれたのですが私は言ってはいけないと言ってしまったのです。それを私は後悔しています。

ルドルフとの婚約が解消になった今、やり直したいのです。」

「いいだろう。ただしコーラル嬢に婚姻を強要してはならぬぞ?」

「勿論です。それから陛下、パーシヴァル帝国とのことは私とカイルに任せていただけますか?」

「レイモンドとカイル以上に適任はおらぬな…

お前はカイルやコーラル嬢のことを知っていたのだな。」

「はい。自分の好きになった女性のことですから。カイルは側近ですし。」

「パーシヴァル皇帝は、こちら側があれだけルドルフとコーラル嬢の婚約を頼んでおいて、こちらから破棄するとは何事かと思っているに違いないな…

だからこそ、ルドルフが王になるのをお認めにならないのだろうな…。」


国王は消沈する。


「陛下が望むならば、パーシヴァル皇帝陛下にルドルフの件を謝罪し、王になることを認めてもらうように務める所存です。いつでもお声がけください。」

「レイモンド、感謝する…儂と王妃にルドルフしか子がいない…ルドルフが王位を継げないとなると…」

「皇帝陛下との交渉が上手くいかなくなって、彼が王位に就けないとなっても私はお断りですよ…?

その際は叔父上に相談してみては如何ですか?」

「お前は王位に興味はないのか…?」

「ええ。全くありませんね。そもそも、産まれた時から陛下が王太子として即位していたのですよ?興味が湧くほうがどうかしていますよ。

それに、メルティには王妃ではなくただの妻として隣にいてほしいのです。」

「そうか、分かった。ルドルフの件、頼んだぞ…」

「御意に。」



レイモンドは帝国へ行く途中でコーラル領の領主館へ寄って、メルティへ求婚してふたりは結ばれた。




帝国ではカイルと共に皇帝と皇太子に謁見して状況を報告した。ルドルフの地位剥奪は免れなかったが、廃嫡までする必要はないと言質をもらえた。

今後の行い次第で彼はまた王太子の地位に就けることになった。

またレイモンドとメルティの婚約については、目の前にいる皇太子から 殺気を向けられるもどこ吹く風のレイモンドを見た皇帝が「やはり、お前は面白いな。」と笑いながら認めてくれた。


「カイルよ、少し帝国へ滞在する気はないか?」


皇帝が声をかける。


「皇帝陛下、恐れながら申し上げます。その意図をお伺いしてもよろしいでしょうか?」


カイルは真っ直ぐに皇帝を見る。


「ふむ。皇太子の話し相手にでもと…」


皇帝はニヤリと笑う。


「皇帝陛下、カイルは陛下が何を仰られるか分かっている様子です。本当のことをお伝えください。」


皇太子の一言で皇帝は真実を話す。


「カイルと話しがしたいという令嬢がいるのだ。残ってくれるか?」

「承知いたしました。」


カイルは帝国の侯爵家の令嬢と顔合わせをした。彼女の兄は皇太子の側近をしている。

令嬢はカイルをとても気に入ったらしく、カイルも満更ではない様子に縁談が纏まるのは時間の問題だった。


ノザム王国ではずっと婚約者がいなかったレイモンドとカイルに婚約者ができたことで社交界が賑わうのはもう少し後の話しだ。

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