変態勇者対策、女聖騎士(巨乳)
ナリアが詰め所に入ると、彼女を待っていたかの様に幾人かの聖騎士達が駆け寄って来た。
「お話は枢機卿から伺っております、ナリア様!」
「是非とも私めをご一緒に!」
「いやいや、私の方が剣の腕は上にございます!」
各々が我先にと、勇者の元へ向かう事となったナリアの護衛を申し出る。
そんな聖騎士達を見て、ナリアは溜め息を吐いた。
(出世欲に目が眩んだ、このクズ共っ!)
心の中で、聖女にあるまじき悪態を垂れる。
実は聖女ナリアは、次期教皇の座をほぼ約束されている。
先程の口煩い枢機卿も、立場的には彼女の後見人に当たるのである。
現教皇は高齢の上、現在は病に伏せており、そう先は長くはないだろう。
そんなナリアに取り入ろうと、今回の護衛任務を挙って名乗り出る聖騎士達。
幼少の頃より、こういった教団の汚い部分を見ていたナリア。
その存在が神の意志と呼ばれる程、自由自在に聖なる力を行使出来た彼女は、常に邪な大人の思惑に巻き込まれていた。
そして、聖女と呼ばれる様になった頃。
彼女の人格はドス黒く下衆いものとなってしまっていた。
勿論、表面は慈愛に溢れた女神を装って。
(オマエら如きカスが、私の護衛なんて出来ると思ってんじゃないわよ!)
正直なところ、ナリアの強大な聖なる力があれば、護衛など必要は無い。
彼女が使う聖なる光に至っては、恐ろしい魔獣すらも一瞬で消滅させる威力を持っている。
そんなナリアにとって、はっきり言って勇者でさえもどうでも良い存在であった。
実際、自分ならば魔王とサシで戦っても勝てると思っている。
さっさと魔王を討ち滅ぼして、大陸最大の権力者たる女教皇となるのが将来のビジョン。
これが、誰も知らない聖女ナリアの正体、真の姿であった。
腹黒く、陰険な性格なのである。
如何なる人間に対しても、基本的に見下すのだ。
当然、自分に相応しい異性などは存在しないと思っている為、年頃の少女ながら色恋沙汰にも興味がない。
聖騎士達が続々と自分を売り込む中、ナリアは詰め所の隅にポツンと座っている少女に視線を向けた。
(あんな子、居たかしら……? 最近入った見習い?)
彼女だけは聖騎士の鎧を纏っていない。
その理由は、一目で理解が出来た。
胸が、大きいのだ。
小柄な背丈に反して、その豊満な胸の膨らみは目を見張るものがあった。
どう考えても、適合するサイズの鎧が無いのだろう。
そして、そんな彼女を見たナリアには、ある考えが思い点いた。
聖騎士達を掻き分け、彼女の元へと向かう。
「貴女に護衛任務を命じます……!」
「えっ?」
突然のナリアの言葉に、詰め所に集う聖騎士達全員が茫然となってしまう。
「ナ、ナリア様? 彼女はまだ入って数日の見習いです! とても任務を遂行出来るとは……」
「神のご意志に従って、私が決めた事ですが……何か異議がお有りで?」
ナリアの強権が発動し、止めようとした聖騎士は何も言えなくなった。
「わ、私がですか……? でも、そんなっ!?」
立ち上がった女聖騎士の胸が弾むのを見て、ナリアはほくそ笑んでいた。
「お名前を教えて下さるかしら?」
「は、はい! ルーネですっ! 私なんかが聖女様とご一緒出来るなんて……あの、その、夢みたいで!」
「女同士の方が旅も気兼ねなく出来ます。 此方こそ宜しくお願いしますね、ルーネ」
「こ、こちらこそ宜しくお願い致します、ナリア様っ!」
信じられないといった表情で、深くお辞儀をするルーネ。
やはり、胸が揺れる。
(あの変態勇者との和解の為に、アンタの無駄な脂肪を使わせて貰うわ。 せいぜい喜んでなさいな……ふふっ)
ルーネの豊かな胸を見ながら、ナリアはそんな企みを抱いていたのであった……。




