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おっぱいとしか喋れなくなった勇者に世界は救えるのか?  作者: らいとふっと


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19/89

いざ、決戦の地へ!

 

「以上が、この依頼の内容となります……が、本当にお引き受けなされて宜しいのですか? 今迄に帰還出来た冒険者はゼロ、現地の状況についての情報も皆無なんですよ?」


 やんわりと遠回しに、命が惜しければ止めておけ、と受付嬢が忠告するも、ナリアの決意は揺るがない。



「まったく問題ありません。 但し、魔法門(マジカル・ゲート)は使用させて貰います」


「それは構わないのですが、現地のゲートが残っているのかも不明なんです」


「なら、私が使えば判明しますわよね?」


 ニッコリと微笑むナリア。


 受付嬢は思った。

 幾らプラチナ級の彼女でも、このクエストだけは無理だろうと。

 これまでにも数多くのゴールド、シルバー級の腕利き冒険者達が調査に赴き、消息を絶った。

 この若く美しい神官の少女も、彼らと同じ末路を辿ってしまう運命なのだろうか、と。


 そして『魔法門(マジカル・ゲート)』とナリアが口にした聞き慣れない言葉。

 それは(いにしえ)の時代、偉大なる賢者が作ったと伝えられる魔法の門。

 世界の各地に設置され、その門を通るだけで遥か彼方の地まで往き来が可能である。


 現在は冒険者ギルドが管理しており、それを行使出来るのはゴールド級以上の冒険者のみに限定されている。

 つまるところ、プラチナ級であるナリアならば、遠く離れたラシュア帝国にも瞬時に赴く事が出来るのだ。



「り、了承致しました! では急いでギルド長に報告の上、魔法門(マジカル・ゲート)の準備に取り掛かりますので……」


 ナリアにそう告げた受付嬢。

 これでナリアはクエストを正式に引き受けたと言う事であり、もう後には引けない。



(さてと、次は……)


 振り返ったナリアの目に映ったのは、真っ青になっている三馬鹿トリオ。

 あまりにも壮大な金策に、頭が追いついていない様だ。



「貴女達は此処に残っていて下さいませ。 後は私一人で……」


「ナ、ナリア様っ! 私はナリア様を護衛する聖騎士です! 私だけはお供させて下さいっ!」


「まだ見習いのルーネでは危険です。 私だけで参りますから」

(足手纏いだから付いて来るんじゃねーよ、このカス!)


「で、でも……」


 震えながらも任務を遂行しようとするルーネに、内心では苛立つナリア。



 続いてはサラ。


「ナリアさんっ、私も行きます! 私、薬の調合や知識は有りますから、きっと役に立ってみせます!」


「サラさん、魔王の本拠地に赴くのは危険極まりないのですよ?」

(ったく、聖女の私が居れば薬なんか要らないわよ……)


 ルーネ同様に震えながらも、何故だかサラも同行を申し出ている。

 クレイの聖剣を取り戻す為、何もせずにはいられないのだろう。



「それじゃあ、アタシも行く!」


 最後にティアまでも。


「アンタは行かなくて良いわよ、クソビッチ! そもそも、何の役にも立たないでしょ!?」


「うーん……そうだなぁ。 あ、そうだ! 疲れたらアタシが膝枕してあげるよ?」


「えっ……!?」

(膝枕要員って何なのよ……?)


 意味不明な役割を申し出たティアに、ナリアは目眩を覚えた。



「と言う訳ですから、ナリア様!」


「薬師の私だけでも連れて行って下さい!」


「膝枕、してあげる!」


 ナリアに懇願する三馬鹿。



(どう考えても誰一人必要がないけど……そうね、サラとティアは勇者の縁者。 恩を売っておくのも悪くないかもしれないかしら? ルーネも同行させておけば、枢機卿への報告の際に役立ちそうね? ま、どうせ私一人で全部片付けるんだし、この三馬鹿には聖女ナリア伝説の証人になって貰いましょうか……うふふっ)


 三人の顔を見渡しながら、ナリアは決めた。



「解りました……貴女達の崇高な想い、しかと受け止めましたわ。 全員ご一緒に参りましょう!」

(だけど、足を引っ張んなよ? ゴミカス共!)


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