あふたーとーく(猿渡勇太の登場人物紹介)
この話は、本編『菰宮牡丹は百倍可愛い』の後日談です。
ネタバレを大いに含みます。
というか、ネタバレでできています。
お楽しみください。
小石井:「(あれ、猿渡の下の名前って、勇太だったっけ…。)」
猿渡:「何か言ったか?」
小石井:「いや、何も。」
☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆
『登場人物一覧 (作:猿渡勇太)』
小石井頼
クラスメイト。帰宅部。ゴールデンウィーク後、九重、浮瀬と共に『屋上部』を創部。俺も名前を貸した。橋から落ちて入院する。俺も見舞いにいった。
小石井・母
小石井頼の母。作る弁当は『ザ・弁当』。普通が大好き。
小石井・父
小石井頼の父。サラリーマン。大企業に就職し、家庭を築くことが、人間にとって至高の幸せだと信じている。
菰宮牡丹
下之宮高校一いや、日本一の美少女。もしかすると、世界一の美少女かもしれない。物語のヒロイン。生徒会副会長。才色兼備。容姿端麗。胸は小さいが、理想の女性。天使。女神。凄く可愛い。どんな女性よりも、百倍は可愛い。校則通り、スカート丈は膝下3センチをキープしている。が、気分がいいときは1センチくらい上がる。誕生日は3月9日。好きな食べ物はメロン。嫌いな食べ物はレバー。犬が好き。猫も好き。可愛い。彼氏はいない。ゴールデンウィークの直後、高校を退学し、消息を絶つ。その後、ネットやテレビでは渋谷事変の犯人として扱われるが、何者かの陰謀だと思う。ネットでは、国家権力が絡んでいると噂されている。現在のぼたんちゃん(小石井注:ぼたんちゃん=菰宮牡丹)の情報を持っている人がいたら、すぐに俺に連絡して欲しい。ぼたんちゃんを助けるために、俺に出来ることがあれば、なんでもする。俺は権力には屈しない。
双角瑠璃
生徒会長。全体的に、小さい。きっと、何かの間違いで高校に入学してしまい、生徒会長になってしまった小学生。この人のポストに、ぼたんちゃんが就任するはずだった。
九重さくら
クラスメート。何かの病気で車椅子に乗っている。最近は俺たちと教室で昼飯を食べることもある。食べるといってもゼリー状の何か。味はしないらしい。
音海美七
小石井頼の幼なじみ。蒔田女子高校、通称『種蒔き女子』の生徒。高校の偏差値は恐ろしく低い。利き手で鉛筆を持つことができれば、入学できると聞いたことがある。
伊勢茉鈴
クラス担任。そこそこ美人。年齢はおそらく三十代前半。ゴールデンウィーク明けの小テストの返却時、俺の点数を見て『わろし』と呟く。なかなかに萌え。
浮瀬雲母
ゴールデンウィーク直後の転校生。もしも彼が、秘密を持った女の子なら、最高に最高なイベントだった。普通に外見のいい、ただの男子で、一緒に昼飯を食べる仲。
猿渡勇太
俺。高校からサッカー部に所属し、初心者ながら急成長を見せる期待のルーキー。また、『スポーツができる』だけでなく、『面白くて頭が切れる奴』と、学年内だけでなく学内に名前が広がりつつある。
☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆
小石井:「…。」
猿渡:「どうだ?」
小石井:「えーっと。『あくまでも個人の感想です』って文字が見当たらないんだけど。」
猿渡:「あぁ、それなら、ほとんど事実に基づいているからな。」
小石井:「『学年内だけでなく学内に名前が広がりつつある』って言うのは、何調べだろう。」
猿渡:「あぁ、それは俺の感覚。」
小石井:「(いや、一緒に弁当食べてる3人、誰1人として下の名前を把握してなかったたぞ。)」
猿渡:「そういや、種蒔き女子の『利き手で鉛筆を持てれば、入学できる』ってのはネット情報だからな。あまり信用できない。」
小石井:「僕は幼なじみの学力は知らないけど、鉛筆の使い方なら僕達よりも百倍上手な気がする。デッサンとか。」
猿渡:「そうそう、百倍と言えば。これはかなり有力な情報なんだが、ぼたんちゃんは今、ヨーロッパにいるらしい。」
小石井:「?。そんなことどこで知ったの?」
猿渡:「ぼたんちゃんのファンクラブの掲示板だよ。」
小石井:「(こいつ、10秒前とネットに対するスタンスが真逆。)その、ファンクラブなんてあるの?」
猿渡:「ああ。公にはされてないから、ベラベラ喋るなよ。」
小石井:「(喋らないし、今ベラベラ喋ってるのはお前。)」
猿渡:「俺の会員番号は12番で、ギリギリ『主戦力』には入れなかった。」
小石井:「結構会員いるんだね。(主戦力って、サッカーの試合でもするのかな。)」
猿渡:「全体の会員数は非公開だけどな。」
小石井:「そうだ、僕の両親についてだけど。」
猿渡:「こんな感じだったよな?いつもの小石井の愚痴をまとめたんだけど。」
小石井:「百点。と、言いたいところだけど。自分の親の悪口を他人に書かれるのは、やっぱりいい気がしないなあ。」
猿渡は、「やれやれ。」と、彼の手を自分の額に当てる。
猿渡:「結局、自分の親なんだ。好きで当然なんだよ。」
小石井:「(こいつ、残念なやつだと思っていたけど、案外いいこと言うな。)」
猿渡:「あーあ。俺のクラスに、何か秘密を持った美少女とか、転校してこねーかな。」
小石井:「いや、お前そいつと、毎日弁当食べてるぞ。」
やっぱり残念な奴だ。




