表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
【未完】フェバル 〜剣聖プロトタイプ〜  作者: 暴虐の納豆菌
第1章 《次元連結世界〝クルシュマナ〟》
12/15

とある悪夢の記憶 〜クルシュマナにて〜




ーーー忘レルナ


絶対に、忘れてはならない。



単純な価値観の選択。

鮮烈な修羅道の記憶。

確定された未来の記録。


何より、預けられた思いの欠片。



その全てから私は生まれた。






ーーー忘レルナ



真白(ましろ)の髪が風に舞う。


そこに、愛を残して。



翡翠色の腕輪が(きら)めく。


そこに、絆を残して。



煤けたマントがその背を大きく見せる。


そこに、誓いを残して。



鉄錆の剣が血を欲して叫び声を上げている。


そこに、涙を残して。








覇道を歩む少女は夢を見る。


己が未熟だった、その日々を。全てが、可能性に満ちたーーーー何より、かけがえのないモノを貰った出会いを。





ーーー忘レルナ



その(つるぎ)は罪の証。


凡ゆる願いを葬った先の地獄の具現であるという事を。



ーーー忘レルナ



その姿は願いの証。


受け取った〝大切〟を何よりも表した、誇り高き敗残者の姿である事を。




ーーー忘レルナ



ーーーどうか、忘れないでくれ



それすら忘れてしまったら、そこにはもう、『終わり』しか残っていないのだからーーーー
















◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆









「気味の悪い夢を見た………」



夢見は最悪の一言に尽きる。

思わず、顔を片手で覆ってため息をしてしまった。


その夢は嫌に鮮明に記憶に残った。

誰の話なのか分からないし、脈絡も何もない上に唐突に結論だけを残していった不思議な夢。

あれは、一体なんだったのだろう。ただの悪夢として片付けるには実感がありすぎる。


多くの疑問が残るが、ただ一つだけ確かな事がある。

それは、ただ一言のーーー『このままだとダメだ』という直感にも似た危機感を私の頭の中に残していった事。



「ん。今日もいい朝。………アミカを誘って軽く稽古でもするかな?」



ベッドから起き上がり、頭を振って気分を入れ替える。窓から見える日光が気持ちのいい朝を告げていた。

寝床の直ぐそばに置いてある愛剣を掴み、起き上がる。もう、こけたりするようなヘマはしない。


ーーーただ、今は無性にアミカに会いたかった。



その時の私の頭の中には、この星に来たばかりの頃に見た夢が脳裏に浮かんでいた。


私が、初めて死を経験した日。

私が、初めてアミカと出会った日。


登場人物の顔は曖昧で、全貌を掴めずともその夢は脳裏に焼き付いている。

片手の無い少女が、剣を掲げた少女に笑って〝あること〟を願う夢。






ああ、何故だか涙が止まらない。だってーーー




『だから、お願い。私をーーーー』






ーーー殺して、とその夢の少女は言ったのだから。






ーーーー忘レルナ




脳裏によぎったその悪夢を振り払った先で聞こえた、たった一言の言葉。


涙の意味がわからない。

何故、その夢を思い出したのかもわからない。




ただその言葉は、妙に私の頭に残ったのだった。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ