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不協留学  作者: 玲於奈
96/146

やぶれたパンツ

なし

執事のジョージは

さすがに

表情が変わらない。


やぶれたパンツを

見て


突然大学時代の

バイトを思い出す


とにかくお金がなかった

ジーンズは

一着しかなくて


それも

酔っぱらって

穴をあけて


はじめは小さい穴だったのが

はくときに

その穴に足をひっかけて

穴が大きくなっていた


ある時

寝坊して

足がさらにその穴に

入ってしまって

横にさけてしまった


もしかして

ダメージジーンズ


ちょっと

得したような気。


そんな時

大学の政治研究会の先輩に

たのまれごとをした


私はその研究会には

入部していないのだが


新入生の口コミを含めて

私の間抜けさやドジさが

目に留まったらしく


彼らのプライドが

許さないアルバイトが

回ってくるようになった


仲介役は

政経学部の

あかね。


気が利いてやさしく

人気者。

将来は、秘書から

議員を目指すそうだ。


いつも縦割り組の

リーダー。


なぜそんな人気者が

私に目をかけるのか

わからないが


「デモが計画されているから、

 このセットを

 車で会場まで運んでほしい」


という

なぜ気のきいた

運転の上手なものに

たのめばいいものを


わたしなのだろうか


「土曜の午前8時が

 会場入りよ」


場所は国会議事堂。


よりのよって

首都高4号。





ピンクのデイズルークスで

向かう


ママさんかよ


聞けば

関係者の女性の

車らしい


というか

そんなの車を

初心者に運転させるなよ


しかし

さすがデイズ

ナビがついている


そろりそろりと


首都高を走る

国会議事堂の

カーブがきつい


地上に出て

待機場所にむかう


警官がところどころに

立ち始めている


デモが届けられているためだろう


素早くポイントに

向かう


手筈よく

派手な

セーブ ザ アースの

緑Tシャツ男子が

あわただしく

向かってきて


ラジカセやら

スピーカーやら

マイクやらを

おろす


「おっしっ。

 おまえは帰っていいぜ」


扉をしめてから


「そうだ、車は

 今日中にもどすこと。

 それと、お前に

 あかねが

 ごほうびだとよ」


チケットをわたされる


パーティ券。


「そのホテルで

 飲み食いできるぜ」


そうか

わたしは戦わなくていいのか

単なる運び屋

















なし

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