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不協留学  作者: 玲於奈
79/146

小さいチョコレート

なし

食べた食べたと

お店を出ようとして

マスターにお礼方々

聞いてみたら


店主が言うには


遠いスイスから

社会人の学習に

きて

企業研修を

行っていて

感銘をうけたこと


また

よく会社帰りや

お休みの日に

お店に4人そろって

やって来て。


フランス料理が

食べたいと言って

食べにきてくれたことが

何より

うれしかったこと。


そして

今回も

クリスマス前には

研修が終わって郷里に

帰れると思いきや

スコットランドの

おおらかな

風土もあり


研修が日程以内に

おさめられなくなり


年内いっぱい

仕事をすることに

なったことを

聞いて


これには

同じスコットランドに

住む者として

店長も考えるところが

あったこと


そして

ここベアーズデンは田舎なので

クリスマスイブは

みな家で過ごすのが多く


開けても

客もこないことから

毎年

店を開けていなかったが


今年はそんな事情を

聞いて

お店に招待することに

決めたこと


まあまあすごい勢いで

話した後


「そんなだったんさあ」


と大きく深呼吸を

して

私に教えてくれた


さらに続けて

ぼそっと一言


「あんたも

 遠い異国でひとりぼっちで

 クリスマス。

 さびしいだろうけど

 よいクリスマスを

 過ごしなよ」


そう言って

手を突っ込んでいた

ポケットから

小さいチョコレートを出して

私にくれた


急に大きな声で


「さあさあ、行った。

 行った。」


「田舎じゃが

 教会にはみないってるはずじゃ

 気にせず、みんなと

 行ってきな」


と言って私の背中を

押してくれた


なんとありがたい


私のことも

彼らから

聞いて、私も

招待してくれたのだろう


人生初めての

フランス料理


とても心のこもった

素晴らしい料理だった


等間隔で照らす

街灯のオレンジの光の中


先を歩いている

みんなを

追いかけるべく

すこし小走りに

なりながら


なんともあたたかく

ちょっと

泣けそうになってきた



なし

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