かつ丼一杯1800円
なし
留学したばかりのころ
どうしても
日本食が食べたくて
自炊した
しかし
日本のお米はない
結局は
細長いインディカ米の
ようなもので
代用することになる。
幸い
実家から
船便で海苔が
送られた
飛行機で日本から
こちらに来るとき
日本食が
食べられなくなると
考えたが
そんなに危機感はなく
まあ日本食材は
売ってるんじゃないか
とか
留学するんだから
イギリスの料理で
食べていこう
と漠然と考えていた
ところが
留学して
しばらくすると
無性に日本食
特に
ご飯が食べたくなってきた
毎日パンばかり。
あるいは、
慣れるかと思って
インディカ米などの
細長いごはんを
食べるも
しっくりこない。
ぱさぱさとして
おいしくないのだ
その頃は
留学して間もなく
大学の先生方のすすめも
あって
幅広いゾーンカードを
購入していた
バスや電車、地下鉄が
グラスゴーの中心街から
いくつかの円になり
ゾーンで
わかれている
私は
3ゾーンくらい
奮発して買ったので
グラスゴーの街を
うろつく。
大学の先生たちは
市内にあるたくさんの
美術館や博物館
公園や
名所を見てもらいたくて
すすめたんだろうが
まさか
日本米探しで
使われているとは
よもや
思わない。
しかしながら日本米は
なかなか
見当たらない
実はグラスゴーには
無印良品のお店が
あったのだが
そのお店を発見するのは
それからだいぶ後
さすがに
横浜市と同じくらいの
大きさの街
そこからたった1店舗の
お店を探すのは
至難の業か
そして
そのお店には
日本人女性が
勤めており
こちらの男性と
結婚していた
その出会いも
だいぶ後の話
日本食は
ロンドンもそうだが
当時すごく高価だった
少年週刊ジャンプですら
500円ちかく出さないと
買えず
はなから
漫画の定期購読はあきらめた
ロンドンから郵送される
高額のジャンプ
考えただけでも
想像を超える
さらに
ロンドンで
ちゃんとした日本料理のお店で
といっても
料亭とかではなく
普通の食堂で
かつ丼を頼むと
1800円くらい
とられる
それでも
本物の日本食を
食べられるならまだしも
ちょっと怪しいお店だと
日本人でない
パキスタン人や
インド人が日本食を
作っていて
見た目も味も怪しい
そして千円近くする
かなりの冒険だ
結局
お米は
あきらめ
宿舎の台所で
お米を煮る
なんとか失敗せずに
炊きあがり
海苔をまこうとして
気が付いた
醤油がない。
おお、なんたること
醤油があれば・・
なし




