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不協留学  作者: 玲於奈
64/146

クリスマスカード

なし

今日もまた


クリスマスを

2日前に控えた夕食


いつもの時間に

ご飯を食べに

学食へ行く


いつものように

学食の前にある

全部の宿舎生の

メールボックスに向かう


ふたのない

げたばこのような郵便箱


全体的に手紙も少ない

そりゃそうだ

人がいないわけで

留学生は、手紙の送り主の

元に戻っているわけで


ちょっと前までは

みんなが大量に

クリスマスカードを

購入し

せっせとカードに

サインしたりしているのをみて


ははああん

日本の年賀状と

一緒なんだなと思い

私も大型スーパーに

行ったり

優しいジョージの店の

充実した文房具、

そして

カードのラックを物色した


さすがに多種多様

さまざまなクリスマスカード


伝統的

オーソドックスな

深夜のもみの木

飾られているかざりといった

カードから


ジョークになってるものまで

いろいろ


みんなが書いて

そのことを話題にし


まあいってみれば


「毎年、毎年のこと

 だけど大変よね

 カード書きは」


「手も疲れるし、数もあるしね」


みたいなことを

お互い確認し


「じゃあ、頑張って」


みたいな感じで別れていく


自分も数はすくないが

人生ではじめて

クリスマスカードを買って

メッセージを書き

郵送した


年賀状のように

元旦に配達されるわけではないから

出す時期になやんだが


数は少ないが出した

クリスマスカード


返事が来ているのでは


一人自分の

メールボックスを

確認する


もちろんすぐに返事が

くるわけでなく


何もない


今でこそメールやら

スカイプやらなんでもあるが

当時は外国は行ったきり


電話も高額だ


安くお互いに連絡を取るのは

手紙しかない


そんな中で

毎日、郵便箱をみて

手紙がはいっていないか確認し

一喜一憂する


小学生のころ読んだ

郵便箱を毎日眺めては待つ絵本のお話


日本の仲間は

もちろん自分たちの

クリスマスで忙しく


そして

忙しくしながらも

自分たち以上に

派手で華やかな外国のクリスマスを

過ごせる私のことを

羨んでいることが

私にくる

数少ないいくつかの手紙から

感じた


現実はそうでないことを

知ったんですけどね


あれ、おかしい

学食の

灯りが消えている

どうした


もちろん食べている人も

いない


ええっ。


まさか夕食がない


食べるものがない



なし

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