領主さまのお館
なし
そして、
建物は
突然現れた。
お城。
あれっ。
留学して
はじめて
行った
エジンバラにあった西洋城。
それよりは
小さいが
たぶん
昔、この辺りを
治めていた
領主さまのお館。
そのお城。
思わず
フューーー。
と
口笛を鳴らす。
ハンバーガーやさんで
思い切って
ダブルバーガーを
頼んだら
ダブルどころか
4枚も5枚もハンバーグが
串刺しされたものが
でてきて
キャーと叫ぶ感じ。
安い。
どんどん近づいて
車の駐車スペースに
ずらりと並ぶ車。
まさに、
映画で見たような風景
たくさんの車が止まっている
外車だし
カラフルだし
そして、高そう。
迎えにきてくれた
マクガイヤーさん。
その
一緒に乗っていた
高級乗用車が
まったく
違和感なく溶け込む
これぞ、セレブか。
高級なものには
高級なものが集まる。
得てして名言。
頭一瞬。
1か月前を振り返る。
マクガイヤーさんは言った。
「気楽な集まりだし
別荘に泊めてもらえるから
気にしないで
自分の好きな飲み物は
持ってきてよ」
強調も誇張もなく
自然に誘われた
そのニュアンスから
よくある
ホームパーティ
だろうと
思っていたが
車を降りて
駐車場に並ぶ車を見て
びびる。
これは50人。
もしかすると100人規模の
パーティではないかと想像できた
そんな大事なことを
なぜ言わない
マクガイヤーさん
優しい顔して
実は天然ぼけか
それとも、これが日常なのか。
ホームパーティ経験の
多くない私
1度だけ
大学近所で
ホームパーティに
行った
その経験から
今回は奮発して
いつもよりは
高いビールを買っていたものの
いつも
バーに行くときの
だらけた服装で
もちろん
日本で買ったもので
かっこよくもなく
まあ
言ってみれば
現在のこの場の
雰囲気にあうような
しゃれた服ではない。
一つだけ
よかったことは
前はすごい安売りのビールを
持っていって
(500mlのビールが
100円くらいで買えていた。)
(たぶん、いろいろなお酒を混ぜていた)
みんなそれを持ってきていて
ばか受けしたが
ここでは
そのレベルでない。
バーで飲むビール。
その缶ビール。
よかった。
その6本パックを
所在なく持ちながら
重厚な黒い扉に
向かう。
なし




