割れない食器
なし
朝起きて、
ホテルの窓から
外を見れば
一面の銀世界。
ましろにぞ。
4月上旬に雪。
雪の中
民家のこいのぼり。
こないだ
東京で
花見をして
さくら散って
葉桜。
そして雪。
毎年恒例の
いやがらせ電話。
郷里の桜が満開であるという。
有名な城址公園に
人々が集う。
満開でのライトアップ。
人出もそうとうとのこと。
酔いとざわめきの中
わざわざの
いやがらせ。
一目千本桜。
街中も
ももいろにそまる。
そして
北海道は白の世界。
さすがに
南北に長いだけある。
さて
東京へ帰る飛行機は
飛ぶのであろうか。
この件の決着は。
旭川駅に降り立つなり
タクシーで
店舗に向かう。
社長と対峙。
秘書課長の丁寧な
状況の説明と懇願。
「フェア開始の時間を
おくらせていただけないでしょうか」
眼光するどい目で
刺される。
無言の時間。
何かをいわなければ
言わなければ。
思い出された
ランチタイムの
パート主婦社員の雑談。
「あそこのファミレスで
子どもが食器を割ったのよ」
「今は割れない食器も
たくさんあるのにね」
だめもと。
他の系列の
ファミレスの話。
いちかばちか。
「今、ファミレスでは
お客さまの安全と
環境配慮を前面に出して
割れにくい
自然素材の食器を
店舗に採用するところが
増えています。」
だめだ
眼光はあいかわらず鋭い。
それでもめげずに
最後のフレーズ
「サンプルをお持ちしましょうか?」
なし




