コンサート
なし
ながらく
ひとすじに
そして
つつましく
忠実に行ってきた
ラインを外れる
補助にまわるようだ
どうなるのか
自身にも
皆目見当もつかない
しかしながら
後はない
するしかない
会場の
区立ホール
700人、いや1000人は
入れるか。
壇上には
華が飾られている。
上応大学
管弦楽団 定期演奏会
会場前なので
関係者のみ
夏の終わりに行われる
恒例の行事
そして
天下の上応大学
OB,OGの
交流の場
聞くところによると
就職の紹介
あっせんにはじまり
病院の紹介や
優秀な医師、
弁護士、税理士と
さむらい祭り。
時には、恋人や
結婚相手までも
しょうかいされると
うわさに聞く。
和音がみだれる。
ひとの心なれば
なのか
壇上には
たくさんのパイプいす
小休憩か。
ひとりの奏者が
練習
コントラバスの
心地よいきざみが
しみわたっていく。
それをみている私。
客席に
ふかく。
ふかくしずむ私。
だれもいない客席。
目の前には
大きな川が横たわる。
わたしには
わたれない
ふかく沈む
きがつけば
人の波。
演奏が始まる。
演奏中に席を立つ
けげんな顔
かまわず
後方の出口に向かう
ホールからの
階段をおり
革張りのとびらを
開く
まぶしい
日差しが照り付ける
ホールをでれば
すさまじい熱波。
道路がゆらゆらと
揺れている
まよわず
タクシーに乗る
「成田空港に・・・」
1995年のことを
思い出していた。