Sランク
なし
ライン
いつも人は
同じ道を歩もうとする
ラインでない道は
道ではない
いばらの道
けものみち
いかにせよ
そこを人は通れない
ラインを
はずれる
おとうとの
はがきがきて
どこかに
その予想があった
わたしは
花形の営業部員だった
部内のトップ表彰も
何度もした。
社長賞ももらった
係長になり
部下もできた
ますます
チームワークが
よくなり
一目置かれる
部署となった
よいことは
とんとんとすすみ
課長代理となり
次の椅子が
見えてきた
課長代理は
課長と係長の
中間
就任して
しばらくしたら
年配のおばちゃん
保険員から
社内警備の
おじちゃんまでいわれた
「いよいよ
上級管理職試験かい」
合点がいった
たしかに
代理はゆとりがある
緊急出動もあるが
毎日ではない
突発的なことだからだ
そうか
試験をクリアせよとのことか
なるほどと
思った
確かに部署内の
営業成績も大事だが
そこは
なんとでも
なりそうだ
若手が今までのノウハウで
どんどん
あげてくれていた
そして
機器の扱いに堪能な
彼ら
私の時代よりも
さらに
効率よく物事を
すすめている
情報に子どもの頃から
せっつしている
それよりも
自身の
自分の価値を高める試験
皆がそれを望んでいる
羨望
そして
当然の宿命
最高の成績で
Sランクでの合格
箔が必要なのだ
そして
わたしは
必死に勉強した
はじめは
わからないように
ところが
妨害をする輩がでてきた
おもしろくない
足をひっぱる輩
人の不幸を喜ぶ輩
最後は
なりふりかまわず
暗記につとめた
そして
論文考査
前評判通りの
Sでのトップ合格
周囲もうらやむ
成績での面接へ
社内には
そういうことを
噂するものがおり
そのネットワークは
速い
部署内のものは
私の成績について
知っていたようだ
あとは
形だけの面接を経て
上司は
取締役に
そして
私は花形課長にという
段取りのはずだった
人生には・・
まさかがあった
大きな口を
開けて私をまっていた
なりふりかまわずに
戦ったところが
輩の反感を
さらにかったようだ
攻撃力のアップした
一撃
それが
面接にて
怒った
なし




