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不協留学  作者: 玲於奈
139/146

いよいよ波へ

なし

あいかわらず

海の深さがわからない


色もかわらないので

深さは

ますます不明


突然深くなって


「おぼれる」


20台男性、東京の会社員、

サーフィン中おぼれ

緊急搬送


あわやドクターヘリ。


そんな事態になって


北海道の新聞に


いや全国区の新聞に

のろうものなら


あるいは

新しもの好きの

ワイドショーに

ひっかかろうものなら


目も当てられない


実家がまきこまれ

フラッシュの嵐


一般的に考えて


「サーファーがおぼれる」


まさにありえない。


情けなし。

世間に完全に

そう思われるだろう


妄想がよぎる。


溺れるのは

一番怖いことなので

この界隈で

サーフィンする


しかしながら


海の底。


足がつかなくなりそうな

気配をひたひたと

感じる


ほんのもうちょい

沖に行けば


雪崩れるように

深くなっていくのだろう


たくやさんは、

どんどん沖へ


もはや

一人勝ち。


恍惚の神状態。


とりあえず

たくやさんを眺めつつ

さきほど習った手順を

復唱する


1、沖にでてパドリング


2、波の予想をつけて

  浜辺にパドリング


3、波の最高点で立って

  ボードにのる


4、波乗り男「太陽」参上。


となる予定だが、


惨状に

ならないようにしなければ。


やり方を覚えていなくて

失敗するのを避けるため


頭の中で

シュミレーション。


なんどもつぶやく


「できる」「できる」


「太陽、おまえなら、できる」


ドラクエの呪文のように

つぶやきながら


手順をふむ。


しかし、

沖に向かって出るも・・


そもそも

パドリング自体が怪しい


そりゃそうだ。


初めてするのだから

まさに、遠方のたくやさんの

見よう見まね。


豆粒のようなたくやさん。


私もパドリング。


両手でかいているのだが

まったく

ちぐはぐになる


こわれたロボットのよう

または

溺れてジタバタしている人


遊泳場なら

屈強なライフセーバーが

すごい勢いで

とんでくる様相。


しかし、ここは遊泳場でもなく。

そもそも

ライフセーバーはいないのだから

何かあっても

自己責任。


そんなことには

おかまいなく、


波はひっきりなしに

打ち付けてくる


沖に向かって

ひたすらにパドリング。


山のようになっている波を

ジェットコースターのように

のぼったりおりたりする


映画とかの一場面。


嵐の中、帆船が波にむかっていく様相。


そして、たいがいの映画は

帆船が沈没。


がむしゃらに

パドリングするも


あまりに沖にでると

さすがにこわいので


いよいよ

Uターンして

第二段階。


波を待つ。が、


私に波を選ぶ

選択肢はなく

ひっきりなしにきて

またもやジタバタして

パドリング


ところが

沖に向かってこいでいく波とは

正反対で


浜辺に向かっていく波は

スピードがあって、早い。


勢いがある。


第三段階。


最高の高さに到達したと

思って上半身を

ボードの上に。


腕で上げようとするが


上がらない。


・・・




気がついたら


海の中。


波にぐるぐるに

されている。


ちょうど

洗濯機の洗い物のように


ぐるぐる、ぐるぐる。


はちゃめちゃにされる。


そうなんだよな。


これがあるから

おれっち

海はいやなんだよなあ。


いまさらながらに

過去の海水浴の

記憶を思い起こしながらも


今は、

波のなすがまま。



あなおそろしや。







なし

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