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不協留学  作者: 玲於奈
115/146

借景かな

なし

明治時代に

作られた西洋式


庭の大庭園


隣接する借景が

すばらしい。


そんな、高級ホテルに

私はいる。


オープンテラスと続いている

会議室


ここからも

眺めはよい


もちろんこちらが

併せて借りているので

テラスには誰もいない


花の名は詳しくないが

背の高い大きな鉢に

赤い紫の花々


よく見ると

奥に池が、木々の間から見える


東京から札幌に

飛んできた私。


官民合同で

今後の札幌観光を

発展させるにはどうするのか

具体的な提案が

なされる

大事なプレゼンだ。


札幌の魅力を発信する

今までにない札幌の良さを

伝える


ITの活用もキーポイントに

なると部長がおっしゃっていた


そして、まだほかに

人材もいたろうに

北海道民、どさんこでも

札幌人でもない

私がプレゼンする。


酔狂。

探せば道民。いたろうに

ずぼらな課長。


よぎる不安。

うまくいくのだろうか。


しかし、私には

選択の余地はない。


成功させるしかない。


2つの想いがふりこのように

いったりきたりする。


2か月かかりきりで

上役にみてもらい。


レイアウトの技術の上手な

後輩からもその都度

見やすさや、デザイン性を

アドバイスしてもらい

追求した。


静けさのみの

ホテル。


札幌支社が頑張っておさえた。

ここ最近は、

土日はもちろん

平日もいいホテルは

すぐになくなるそうだ。


それだけ、観光客が

押し寄せているのだろう。


課長の話では、

道庁からは3人。

札幌だけにとどまらず

道内の観光界に影響力の

ある人物も

参加するとのこと


気がぬけない。


先方を立って待つ。


この時間がいつも緊張する。


いらっしゃる。


すぐに、名刺交換する。


一目でわかったが

名刺で改めて再認識。


道庁 観光推進課 係長の肩書。


宮沢先輩だった。


プレゼンが終わって

ささやかな慰労を

宿泊先のホテルでしているところで


宮沢先輩から着信。


昔、年賀状に書いた携帯番号を

律儀に登録していたらしい


「おどろいたわ。

 まあ、こういう時代だから

 会うことはできないけど、

 少しは話、できるか?」


あわてて断って

ビアホールから

廊下に出る。


喧騒がやや静まる。


お互いに近況を報告する。


終わりになって


「仕事忙しいから、

 あいつにもかけてやってくれ」


と一言。


そのあとショートメールで

えりこさんの携帯番号を

うけとる


まよったが

打ち上げから抜けていたので

かけずに

会場にもどる


そして、そのままに

なってしまった。








なし

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