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不協留学  作者: 玲於奈
109/146

かみあわないパズル

なし

黒塗りの

高級車に続いて



千葉袖ヶ浦ナンバーが

急到着。


ピンクのデイズルークス


いったい

何をもってして


到着先は

辺りは何もない


一軒家の民家


周りは山林や

畑。


なぜか

ものがなしい


自給自足の感


東京からは

さらに千葉からも


京葉道路を

優に越え


館山自動車道路を

かなり行き


あわや

もう終点かの

南房総市


緑が多い

今は夜だが

さぞかし

見渡す海できれいな

ことだろう


今は漆黒


街から

山にかなり

はいった古民家


車を

降り立つ


古民家といえば

聞こえはいいが


お世辞にも

立派とはいえず


朽ち果てている感もあり


まあ

しいていえば

清貧


日々のつつましい

暮らしが想像できる


しかしながら

片や高級車を

何台も持ち、配下の者を

従え


そしてもう一方は

世間に忘れられたように

隠居生活


いったい二人は

どこで

知り合いになったのだろう


謎は深まるばかり



あまりのギャップに

車を

降りてしばし

呆然とする


そこへ

見透かしたように

声をかけてくる

ご老体


さすが

シャーロックホームズ


ワトソン君の

困っているのは

お見通しだよと

いわんばかり



「かみわないパズルの

 宿題がだされた時、

 彼女は

 最後まであきらめなかった」



沈黙


家の裏


竹藪の風にゆれる音が

心地よい


空をあおぎ

続けるご老体


「誰もが困難と言われた

 パズルを完成させたのじゃよ」


突然

雲が晴れて

空に月が現れる


あたりを

急に明るく照らす


魂のご加護か

ゆっくり歩きだす

ご老体


「彼女のおかげで

 今の私がある。

 さあ、行こう」


暗い周辺。

月明かりがうれしい


ここまで

電化製品がない家も

珍しい


物がない


ござっぱりしすぎているか


そして

布団で静かに

寝ている女性



手を合わせながら

近づく


お顔をながめて

驚く

とても

おきれいな方


そしてこういう時に

皆がいうように


「亡くなられてとは

 思えない」


本当に寝ているようで

揺り起こせば

起きるのではないか


そういう錯覚を

覚える


しかし

残念ながら

もう二度と目を覚ますことは

ない


亡くなられて数時間


枕元にあぐらをかいて

座り込む旦那さん


白髪が目立ち

疲れている


そして、

介護してきたであろう

娘さん


昔からの知人なのか

ご老体の前で

明るくふるまおうと

している姿が

涙をさそう



私とご老体で

共に奥様を

はさんで対面に座る


一呼吸おいて


ご老体


畳にこすりつけるように

頭を下げる


その動作に驚いた

旦那さん


思わず

身構えて


硬いまま


「どちらさま

 だったかのう」


誰もが動かない


もう何回もしているのであろう

軽い失望を

交え

娘さんが言う


「何をいってるの

 お父さん。

 千倉のおじさんでしょ」


それきり反応はない



なし

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