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降ってきた初恋6(R15ver.)

月白です。今回もご閲覧いただきありがとうございます!

今回はR15ギリギリラインで致している描写があります。

R18のテンションで書いたものは短編の方で投稿したいと思っています。

どちらも宜しくお願い致します。


side:フレア

セロンがいつか言っていた「運命の番」の話を俺は半ば呆れたように聞き流していた。

本当にそんなものがあるのなら、両親は何故道を違えたのだろう。

あの二人はちゃんと番だったはずなのに…


だから俺はいつからか決めていた。

『番は作らない』と…

番になって相手を縛り付けることが俺には苦痛だった。


そう言った意味でセロンのパートナーとしてセックスすることに抵抗はあまり無かった。

友人の在り方が少し変わった程度にしかお互いに思っていなかったのも大きいだろう。


けれど、一度だけセロンが相手なのに(うなじ)に手が伸びそうになった事がある。

セロンが運命の番と思わしき人物に会ってしまった時、いつもよりフェロモンが溢れていて慣れている筈の俺でも理性が危なかった。

その時セロンは気付いていなかったが、終始泣きながらセックスをした。

酷くして構わないから助けてくれと言われ、俺だったらこんな風に悲しませないのにと、何故か思ってしまった。


それからセロンは毎日抑制剤を飲むようになってヒートが不規則になった。

不規則になっても学園にいる最中にならなかったのだから、運が良い奴だと思わざるを得ない。

不規則になってもセックスをすればある程度落ち着くので、俺は呼び出されたら行くようになっていた。

どうやら買い物などは知り合いのΩがやってくれるらしかった。



二年に進級してから、校内で時折良い匂いがするようになった。

花のようなバニラのような、甘い匂い。

でも鼻を覆いたくなるほどの不愉快さは無く、むしろずっと嗅いでいたくなるような匂いだった。

特にセロンがふらりと居なくなった後、戻ってきたセロンから漂ってくる事が多く気になってしまった。


「セロン、香水でもつけてるのか?」

「は?なんだ急に…」

「お前のフェロモンとは違う匂いがする」

「俺とは違う匂い?」


Ω自身にはその匂いが分からないようで、思い当たることがないかセロンが悩んでいるとポツリと呟かれた。


「もしかしてグレンの匂いか?」

「グレン…?」

「俺の知り合いだ。言っただろ、男性Ωの知り合いがいるって」

「確かに言ってたな…」


グレンと言う名前なのかと、何故か忘れてはいけない事のような気がして俺は口には出さずに反芻した。



珍しく生徒会の仕事がそこそこ残っているのにセロンの姿が見つからず、最近のお気に入りとなってる屋上に居るかもしれないと足を運んだ。

屋上のドアに手をかけると、あの良い匂いが漂ってきた。

それが何の匂いなのか深く考えず、ドアを開けた。


「セロン、またサボりか?」

「ただの休憩だ。すぐ戻る」


案の定居たセロンに溜め息を吐きたくなったが、セロン以外にもう一人銀髪の見知らぬ生徒がいる事に気がついた。


「この生徒は…?」

「リーフ先輩の弟のグレンだ」

「あぁ…前に話してた…」


この生徒がグレンなのかと思い眺めていると、恐る恐る振り返られ目が合った。


同時に何故この匂いが心地良いのか体感する。


頭の中で『こいつは俺のものだ』と俺の本能が告げる。

何もしていないのに鼓動が早くなって、思わず胸を押さえつける。


「フレア?!…お前ら、まさか…!」


グレンと呼ばれた生徒も自分の身体を抱き締めて震えていた。

セロンが何かに気づいたようで俺に耳打ちする。


「多分お前の番だ」と…


どうやら俺に会った事でヒートを誘発したんだろう。

フェロモンが濃くて、その甘さに理性を全て持っていかれそうになる。

こんな場所ではヒートを楽にしてやれないと気力で何とかグレンを寮に運び込み、ベッドに寝かせる。

まさか避妊薬を持っていないとは思わなくて、引き出しに仕舞っておいたゴムを思い出す。


「先、輩…?」

「セロンから少し話を聞いている。ヒートの時はいつも病院だったと」

「はい、そうです…」

「俺が相手をしても良いか?」

「え……?」


ヒートで紅潮している頬や潤んだマリンブルーの瞳が綺麗で、返事を聞く前に気付いたら口付けていた。

何度も角度を変えて口付けると、グレンも自分から口付けてきた。


「ゴムしか無いからすまない…」


本能に任せて乱暴にしないように、俺はギリギリの理性でグレンの服を脱がせた。



ヒートがあるのに性行為は初めてなのだと恥ずかしそうに言われ、出来るだけ優しく身体を愛撫してやると、グレンは身悶えて喘いだ。


白い少し筋肉質な身体を震わせて、必死に快楽から逃れようとする姿に興奮する。


もっと泣かせてぐちゃぐちゃにしてしまいたい

セロン相手にはならなかった衝動に身を任せたくなるが、グレンは未経験者だ。

何とか理性を保って、優しく接する。


グレンの分身を扱き、吐精させると何があったのか分からないと不安そうに言われ、思わず溜め息が出そうになった。

こんな純真無垢なΩがいたなんて思ってもみなかった…


「(セロンが面倒をみたくなった意味が分かった…)」


大方セロンが守ってきたが故にこの純粋さなのだろう。

あまり手放しで喜んではいけないと分かっているが、欲望が胸の中で歓喜の声を上げる。

こいつの初めてを俺が全て手に入れられる…

支配欲が性急に動こうとするのをなんとか押し留める。


「せんぱい…?」


ふにゃりと笑った顔が胸を締め付ける。

こんな感覚は初めてだ…


「……続き、しても良いか?」

「あ、はい…」


あれで終わりじゃないのかと顔に出ていて、苦笑してしまう。

衝動を辛抱強く抑えながら反応を示した箇所を集中して刺激すると、グレンは戸惑っているのか首を振る。

初めての快楽に頭がついていっていないのか、喘ぐ声が涙声になり表情も蕩けていた。


「もう良いか…」


指を蕾から抜きながら、我ながらよくここまで耐えたと自画自賛したくなる。

初めてなのに蕾の中は熱くうねって奥へ奥へと誘うように蠢くのだ。

すぐに自身を埋め込んで泣かせたいのを堪えて解した甲斐がある。

チェストからゴムを取り出し、自身に着けると念のためローションを少し垂らす。


「グレン、挿れても良いか…?」

「は、い…」

「出来るだけ力を抜いていてくれ…」


本当ならバックでしたほうが負担は少ないと分かっているが、グレンの生まれて初めて快楽に溺れる姿を見たくて正常位のままする事にした。痛みが少しでも和らぐように腰の下にクッションを挟んでやる。

蕾に自身を押し当てると、ビクリと身体が強張ったグレンの頭を撫でる。


「怖いか…?」

「……はい」

「ゆっくりするから、深呼吸してくれ」


グレンが深呼吸するのを確認すると、少しずつ自身を埋め込んでいく。


「掴まってて良いぞ…」


何処に手を伸ばせば良いか彷徨わせていた手を取って背中に回すと、ギュッと腕に力が込められる。

中を傷つけないように慎重に時間をかけて全て埋め込むと、息を吐く。


「…ッ……ぜん、ぶ…入り、ましたか…?」

「あぁ…全部入った」


此処に入っていると腹部を撫でてやると、グレンの眦から涙が流れた。


「嬉しい、です…」

「嬉しい…?」

「好きな人に抱いてもらえてるから…」


無意識に声に出した言葉だったのか、グレンはすぐにハッとした表情になると切なそうに顔を歪めた。


「ごめんなさい…俺……今…」


好きだと伝える気は無かったのだと、ポロポロ涙を流すグレンが何故か途方も無く愛おしくて

初めて人を愛おしく思っている自分に驚きながら聞いてみた。


「…いつからなんだ?」

「え……?」

「いつから、俺が好きだったんだ?」


俺の問いにグレンは少し戸惑っていたが、おずおずと答えてくれた。


「高等部に入ってすぐ、くらいです…」

「成る程…」


どうやら俺が匂いに気付いたのと殆ど同じくらいのようだ。

運命の番なんて信じたく無かったが、現状を見ると信じるしかないものだった。


「せんぱい…?」

「あとで色々と話をしよう…」


もう限界だと耳許で囁くと、グレンは一気に真っ赤になった。

埋め込んでいるだけなのに中がきゅうきゅうと自身を締め付けてきていて、いい加減理性が飛ぶかと思った。

グレンに快楽だけを与えられるように腰を動かし、貪るように口付けると更に締め付けが強まって、刺激に逆らわず達した。

息を吐いて自身を引き抜きゴムを外すと、急にグレンが自分の首元を触りだし何かを取り外した。


「首、熱い…ッ……」


恐らくチョーカーを外したのだろう。

一気に漏れ出したあの甘くて良い匂いのするフェロモンに意識を持っていかれ、気が付いた時にはグレンの頸に噛み付いていた。


噛んだ所から俺とグレンのフェロモンが混ざり合う感覚がして頭がクラクラした。


「せん、ぱい…好きです……」


呆然として頸から口を離した俺にグレンは朧げな意識でそう言うと、意識を手放した。



意識がはっきりしてくると、最初に頭に浮かんだのは後悔だった。

あれ程番を作らないと決めていたのに、本能のままに番にしてしまった…

これがセロンだったらこんなに後悔しなかったかもしれない。

けれどグレンは俺を好きだと言ってくれた。それだけが唯一の幸いなのだろうか…


グレンが意識を飛ばしている間にグレンの携帯が鳴り、表示を見ると一年の時にお世話になった先輩からだった。

グレンに申し訳なく思いながら俺は電話に出た。


「もしもし…」

『その声はシリウス君…?』

「すみません、ブラウン先輩…」


俺はグレンを番にしてしまった事を正直に伝えると、何故か彼はホッとしたような声をしていた。


『君が相手で良かった…』

「え……」

『グレンの事、宜しく頼む。今日は出来ればそのまま側に居てやってくれ』


そう言うと先輩は通話を切った。


「どういう意味だ…?」


てっきり罵倒される事しか想定していなかったので、先輩の言葉の意味がよく分からなかった。

とりあえずグレンがこのまま俺の部屋に居てもいいようにしなければいけないと、事後の片付けをすることにした。


漸くグレンの意識が浮上した頃には外は真っ暗になっていた。


「先輩…あの、俺……」

「気を失っていたんだ。気分はどうだ?」

「平気です…」


少し喉が痛いと言うグレンにペットボトルの水を渡すと美味しそうに口をつけた。


「すまなかった…」

「え?」


噛み跡を指でなぞると、意味が分かったのかグレンは慌てふためいた。


「な、なんで先輩が謝るんですか?俺が噛んで欲しくてああなったのに!」

「そうだったのか?」

「じゃなきゃセックスだってしません…」


言っていて恥ずかしくなったのか布団に頭から潜ってしまったグレンに俺は動揺する。


「お前は俺が番で良かったのか?」

「……むしろ、先輩じゃなきゃ嫌です…」


どんな表情で言っているのか気になって強引に布団を剥ぎ取ると、グレンは真っ赤になって涙目になっていた。


「グレン…」

「……俺の方こそ、ごめんなさい…番にさせちゃって…」


ポロリとまた涙が溢れて、俺はどうして良いか分からず固まってしまった。


「先輩が特別な人を作らないようにしてるって聞いて…なのに身体が言う事聞かなくて……だったらいっそ番にして貰いたいって…思って……」


ごめんなさいと涙を流し続けるグレンの頬にそっと触れるとしっとりと濡れていた。


「Ωだから好きになった可能性はないのか?」

「違います……だって、先輩と直接会ったの今日が初めてなんですよ?」


その前から好きだったのだと言われ、胸の中が温かいもので満たされていく感じがした。


「先輩こそ、俺で良いんですか?」

「…正直に言うと、よく分からない」


俺は完全に本能に任せてだったので、グレンを好きなのかと聞かれるとすぐに答えられない自分がいた。


「セロンさんが言ってました。先輩は恋愛オンチだって…」

「そうか…」


余計なことを言っていた悪友にかるく殺意を覚える。

今度生徒会の仕事を多めに押し付けようと決めながら、息を吐いてグレンを見る。


「セロンの言っていた通り、恋愛オンチと言われても仕方ないと思っている。そんな奴でも後悔しないか?」

「俺だって恋愛初心者です」


だから二人でゆっくり理解しましょう?と言われ、俺はため息を吐きながらグレンを抱き締めた。


「先輩…?」

「…名前」

「え?」

「番になったのに先輩と言われたくない…」

「じゃあ…フレアさん?」

「敬語も無しで良い」

「えぇ……じゃ、じゃあ…フレア…」


それで良いと口付けると、グレンは頬を染めながら嬉しそうにはにかんで笑った。

その笑った顔を見ると何故か嬉しくて、これが恋もしくは愛なのかと考える。


存外、恋愛というものは甘くて優しいものでもあるのだと初めて知った。

次回は1/19の11時くらいに投稿したいと思っています。

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