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第47話:「灰に残る光」

灰色の煙が立ち上る瓦礫の中心に、官野は静かに降り立った。舞い上がる灰を払い、焼け焦げた空気を肺に入れる。焦げた匂いの中に、かすかに血と光の残滓が混じっていた。


その中心に、末政が膝をついていた。


「……末政さん」


官野が静かに声をかけると、末政は顔を上げた。乱れた髪、汚れた頬、そして虚ろな目。だがその奥には、深く深く、喪失の痛みが渦巻いていた。


「……来たのね、官野くん」


「はい。爆発を見て……まさかと思って」


言葉が出ない。現実の重さに喉が詰まる。官野はゆっくり近づき、末政の隣に膝をついた。


「セシリアさんが……?」


「……私の判断が、遅れたのよ」


末政の声は震えていた。掠れるような声で、絞り出すように言葉を続ける。


「彼女の覚悟に…私が気づいた時には、もう…彼女は自分の命と引き換えに、あの男を!」


肩が震える。拳を握り締めても、それでも感情は押さえきれなかった。


「私は、最後の仲間を失ったのよ!」


その言葉に、官野は何も言えなかった。ただ、地面に落ちた末政の拳にそっと手を添えた。


「……悔やんでも、彼女の選択は、あなたを生かすことでした。セシリアさんは、それを望んでいたはずです」


「わかってる。でも……悔しいのよ!」


末政は顔を伏せ、肩を震わせた。年下の男の前で、年上の彼女は泣いた。官野は静かにその隣で、灰に染まった空を見上げた。


「セシリアさんの死を、無駄にはしません。俺も、命をかけて戦います!」


「ええ。そうね...まだ私たちは、生きているんだから!」


その言葉が、ようやく、夜明けのように響いた。

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