第30話:「作戦開始」
数日後——。
シンセシティ中央区近くの大森林に、第5班、第14班、そして第20班のメンバーが集結していた。
濃い木々に囲まれた静寂の中、彼らは緊張感を持って集まっている。
そこへ、葵生からの通信が入った。
『——こちら葵生。現在、作戦の最終確認を行う』
隼風たちはそれぞれ通信デバイスを確認しながら、葵生の言葉に耳を傾ける。
『今回の作戦の目的は、この大森林のどこかにある辰月一派の隠れた施設を発見・制圧すること』
森に吹く風の音だけが静かに響く中、葵生は続けた。
『第5班、第14班、第20班だけでなく、他の班もこの森林の四方を囲むように配置し、ローラー作戦で施設の所在を突き止める予定だ』
官野が腕を組みながら、低く唸った。
「……まあ、こっちは戦力が少ないし、慎重に動くしかねぇな」
廣海も頷く。
「できるだけ効率よく捜索しないとね」
隼風は通信機を握りながら、次の言葉を待った。
『ただし——』
葵生の声が、一段と低くなる。
『今回の作戦は辰月一派側に把握されている可能性がある。いつ攻撃を受けてもおかしくない状況だ。全員、細心の注意を払って行動してくれ』
一瞬、周囲に緊張が走る。
「……つまり、見つける前に向こうから襲ってくる可能性もあるってことか」
末政が鋭い眼差しで言った。
『その通り。特に森の奥に進む際は、各班の位置を逐一報告し、孤立しないように』
通信が切れると、隼風は大きく息を吐き、手を握りしめた。
「……やるしかないな」
彼の言葉に、20班の班員たちも静かに頷く。
森の中の見えない敵——。
緊張感に包まれながら、第20班は慎重に歩を進めた。




