表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
18/97

第18話:「募る悔恨」

闇の中の閃光


シュバッ! シュバババババッ!!


ナイフが次々と宙を裂き、隼風へと襲いかかる。


だが――


「そんなもんで……止まるかよ!!」


隼風はそれを無視し、一直線にコルティニーへと突っ込んでいった。


一本、二本―― さらに三本、四本。


ズブッ!


次々とナイフが肉を貫き、体に突き刺さる。


それでも隼風は止まらない。


風を纏い、黒い暴風を巻き起こしながら、コルティニーに拳を叩き込もうとする――


だが――


「……っぐ!!」


ドサッ!!


限界を超えていた。


足がもつれ、力が抜け、隼風の体が地面に崩れ落ちる。


意識が遠のく。


(……クソ……が……)


動けない。


見上げると、コルティニーが笑っていた。


「ふふっ♡ せっかく可愛く怒ってくれたのに、もう終わり?」


ゆっくりと隼風に近づく。


そして――


「さよなら♡」


コルティニーの足が振り上げられる。


――殺される。


隼風が覚悟した、その瞬間――


「――ルミナ・セカンズ(交差する光)。」


ゴォォォォォォォォォォォ!!!!!!


空気が爆ぜるような轟音が鳴り響いた。


眩い閃光が夜を裂き、とてつもない巨大なエネルギー弾が、隼風とコルティニーの間を通過していった。


ドォォォォォン!!!!


大地が抉れ、粉塵が巻き上がる。


コルティニーが驚いたように後ずさる。


「……あら♡」


隼風は、かろうじて目を開け、そちらを見た。


――光の中に、見慣れたシルエットが立っている。


宮副セシリア。


第5班の副班長。


彼女の大杖には、未だ光の残滓が揺らめいていた。


「……これは予想外ねぇ」


コルティニーが唇を尖らせる。


白いローブの女が静かに呟く。


「……第5班か。少し、分が悪いな」


「そうねぇ♡」


コルティニーは余裕の笑みを崩さないまま、白いローブの女と視線を交わす。


そして――


「またね♡」


二人の体が、黒い霧に包まれ――


そのまま、どこかへと消え去った。



「隼風君! 大丈夫?」


セシリアが駆け寄り、隼風の肩に手を添える。


隼風は何も言えなかった。


痛みはあった。全身にナイフが刺さり、血が流れ続けている。


だが、それよりも――


仲間を守れなかった絶望のほうが、よほど痛かった。


隼風は拳を握り締め、地面に爪を立てる。


「……また、逃がした……」


悔しさが滲む声だった。


「それだけじゃない……俺は……俺は、仲間を……」


歯を食いしばる。


その時だった。


次々と仲間たちが到着した。


そして、目の前に広がる光景を見て――皆、言葉を失った。


「嘘だろ……まさか」


葵生の震える声。


「なんで……」


紗彩の掠れた言葉。


「そんな……先輩!!」


千紗の悲鳴にも似た叫び。


「……っ」


夕音は唇を噛み締め、俯く。


沈黙が広がる。


そこへ、第5班の班長、末政も到着した。


厳格な表情を崩さぬまま、重く口を開く。


「……すまなかった。私たちの到着がもう少し早ければ……」


その言葉を聞いた瞬間、隼風の中で何かが弾けた。


「いや!!」


彼は末政の言葉を遮る。


「俺が悪いんです……俺のせいで……俺が、もっと強ければ……!!」


拳を握り締め、血の滲む唇を噛む。


「俺が、もっと早く動いていれば……俺が、白瀬を助けられていれば……!」


無力さが、心の奥底を焼き尽くしていく。


白瀬の声が脳裏にこだまする。


――「ありがとう」


――「私、あなたと一緒に戦えてよかった」


彼女の想いを、最後に応えることができなかった。


隼風はその場に崩れ落ち、拳を地面に叩きつける。


「くそぉぉぉぉ!!!!!」


夜の闇に、悲痛な叫びが響き渡った。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ