一目惚れ2
各々、部屋に戻って行く。マキは古沢に声をかけられた。
「マキちゃん、ちょっとお話でもしようか。昼までまだ時間あるんだし」
「はい」
二人は女性専用エリアへと移動した。手頃な二人掛け椅子があり、そこに腰を下ろした。
「さて」古沢が会話を探している。思い切ってマキの方から訪ねてみた。
「古沢さんはなんで入院されたんですか」
「私はね半年間、薬を飲まなかったんだ。それでも平気だと思ってね。だけど案の定ダメだったよ」
「古沢さんは何の病気なんです?」
「躁鬱だよ。でも過去に統合失調症と診断されていたこともあってね。だから医者の言うことなんか全く信じちゃいないよ」
「へえ」
「マキちゃんは?」
「私も躁鬱です。自殺未遂をして、親に入院しろって言われました。それに日常的にリストカットもしています。見てください」
マキは長袖をまくり上げた。そこには三本ほど横線の傷跡が残っていた。古沢がその傷跡をなでる。
マキは胸がどきどきした。なんだろうこの感覚。
「辛かったね。この病棟には刃物は持ち込めないから安心しな、お姉さんが守ってあげる」
古沢の仕草が好きだった。顔も好き。マキは思い切って告白した。
「古沢さん、私と結婚してください」
「お、これは急だね。悪いけど考えとくよ。私は年上のお姉さんがタイプなんだ。まあ女性が恋愛対象ではあるけどね。それにしても急すぎるよ」
「本気なんです!高校の同級生じゃつまらないし。学校じゃ世界が狭すぎる。なにより私10個以上年上の人がタイプなんです」
「ん、考えとくよ。それよりマキちゃん、本は読む?」
「まあ、好きなジャンルは」
「マキちゃんに読んでほしい本があるんだよね。性被害者についての本。
マキは古沢のことをもっと知りたかった。
「はい!読みます!」
ゴルフで痛めた腰もだいぶ良くなってきました。さて、明日は元旦ゴルフです。140切るぞー!