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クラスメイトと愛妻弁当


「いいなー」



「何が?」



 昼休み。

 いつも一緒に昼休みを過ごすメンバーと集まり昼食を食べていると、そのうちの1人である佐藤悠真が僕を見て言った。



「彼女からの愛妻弁当!! 俺もそんな彼女欲しいー!」



 本当に悔しそうに頭を抱えて叫ぶ悠真。結構大きな声だから他のクラスメイトに見られている。



「ありがたいよね」



 味が微妙だったとしても彼女が僕のために作ってくれたという事実だけで嬉しいのに、玲奈の手料理は美味しい。

 だから玲奈の作ってくれたご飯を学校でも食べれるのは嬉しいし最高だ。

 


「その唐揚げとか1つちょうだいよ!」



「嫌だ」



 何が悲しくて玲奈の作ってくれた美味しい弁当を悠真にあげなきゃいけないのか。



「いいよね弁当…俺もセンパイが作った弁当食いたいわ」



 ここで会話に加わったのはスマホをいじっていた間宮翔。

 翔はバスケ部に所属していて、マネージャーのセンパイに片思いをしている。



 佐藤悠真と間宮翔。この2人が高校に入ってから出来た友達で一緒にいる時間が多い。



「そうだよな翔。羨ましいよな!」



「でも翔は悠真と違って相手を選ばなければお弁当を作ってくれる子はいっぱいいそうだよね」



「別に知らない人間からの弁当はいらない」



「くそー、このイケメンども!」



「そんなことよりもセンパイと付き合いたい」



「付き合えそうなの?」



「微妙」



「でも、翔に迫られて付き合わない先輩もすごいよな」



 悠真の言った通り翔は女の子から凄くモテる。

 188センチの高身長に整った顔立ち。綺麗な黒髪と真っ白な肌。



 まるでアイドルのような容姿をしている上に1年生にしてウインターカップにも出自しているバスケ部のエース。



 うちの高校だけじゃなく他校にも翔のファンはいて、練習試合や大会では翔を目当てにした女の子がいっぱい来るらしく、親衛隊なんて呼ばれるものもあるらしい。



 だから大概の女の子は翔が迫れば落とせるのだろうけど、翔に靡かない女の子だって当然いる。



 その例外が翔の片思いしているマネージャーの先輩なんだろう。

 逆に言えばだからこそ翔はその先輩に惚れているのかもしれないけど。



「でも、この前の休日に先輩と2人でデートに行ったんでしょ?」



「そう」



「じゃあ、チャンスはありそうじゃない。悠真なんか女の子と出かけることも出来ないんだから」



「おい、いくら事実でも言っちゃいけない事もあるんだぞ!」



「あー、ごめんごめん」



「全く誠意を感じない! お詫びに唐揚げ1個ちょうだい!」



「嫌だ」



 どんだけ唐揚げ食べたいんだよ…まあ、最後の一個だから絶対にあげないけど。




 そんなこんなで友達とワイワイ喋っていたら昼休みが終わっていた。





 

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