リアルasmr
日曜日。
今日で休みが終わり、明日から学校がまたスタートすると思うと憂鬱な気分になる。あと1週間ぐらい学校が始まらなければいいのに…
まったく、誰が週休2日なんて決めたのか。日本人は真面目すぎるから逆に週休5日にしてくれればいいのに。
「ふぁ〜なんか眠くなってきたな〜」
玲奈が作ってくれた昼食(唐揚げ、サラダ、味噌汁、小松菜のおひたし)を食べたあとは2人でソファに座りながら映画をのんびりと見る。
映画が終われば時刻は14時過ぎになっていて、なんだか眠くなってきた。
「直樹」
ボケーとしていると隣にいる玲奈に名前を呼ばれて振り返る。
そこには「おいでー」と手を広げてジェスチャーする玲奈がいた。
言われたら通りに近づいて玲奈を抱きしめれば女の子特有のいい匂いと柔らかい感触に包まれる。
昨日はひなのも来ていたし、いつもよりもイチャイチャ出来なかった反動で今日は朝からスキンシップが多い。
「眠いなら膝枕してあげよっか?」
そう言って膝をポンポン叩いてアピールする玲奈。さっそく、お言葉に甘えて頭を彼女の太ももにおけば柔らかくも弾力感のある感触が後頭部を包みこむ。
さらに上を向けば玲奈の大きな胸が目に入りツンツンとしたくなる。このアングルからの眺めも最高だ。
「耳かきもする?」
「する」
「じゃあ、右耳を上にして」
言われた通りに右耳を上にする。まだ仰向けの状態でこの景色を楽しみたかったけどしょうがない。
「それじゃあ入れるね」
「うん」
目をつぶって待っていると耳の中に耳かきが入っていき、外側から丁寧に掃除されていく。
耳かきで擦られるたび脳に快感が送られていく。耳かきの気持ちよさと膝枕されている快適さに幸せすぎて昇天しそうになる。
「気持ちいいですかお客さん?」
「うん、気持ちよすぎてヤバい」
にしても、他人に耳かきをやってもらうというのは中々に心地いい。
知らない人にやってもらうんじゃなくて、幼馴染で彼女の玲奈にやってもらうから安心感があるのだろう。
「カリカリ」
耳かきを堪能していると、今度は耳元で玲奈が囁き始めた。
「カリカリ」
至近距離からの囁き声に耳が癒されるのと同時にこそばゆい感覚が僕を襲い体が動いてしまう。
「フフッ、くすぐったいの直樹?」
「そうだね、でもそれ以上に気持ちいい」
リアルにasmrを体験しているみたいな状況にテンションが上がる。
中学の頃から耳かきやオイルマッサージなんかの色々なジャンルasmrを聞いてきたけど、幼馴染に耳かきをしてもらうシチュエーションボイスも聞いていたから現実になって嬉しい。
「直樹はこういうの好きだもんね? asmrって言うんだっけ」
「うん」
「私がいるのに他の女の声で癒されてるんだもんね…?」
あれ?
楽しい耳かきタイムだったはずなのに、なんか雲域が怪しくなってきたような…