妹と靴下と嫉妬
「愛の巣にお邪魔しちゃってごめんね、お兄ちゃんに玲奈ちゃん」
ピンポーンとチャイムが鳴りカメラを覗けば予定通り我が家にやってきた妹の姿。
さっそくソファーから腰をあげて玄関まで迎えにいく。
あながちひなのの戯言も間違ってないから反論しにくい。
「ひなのちゃんならいつでも歓迎するわ」
「ありがとう玲奈ちゃん。いつもお兄ちゃんがお世話になってます」
「あとお兄ちゃんにもお土産」
「なにが?」
「いま出すから待ってて〜」
そう言ってから靴下を脱ぎ出したひなの。そして脱いだ靴下を僕に向けて差し出してきた。
「まさかそれがお土産とか言わないよな?」
「お兄ちゃん靴下好きでしょ?」
「そんなこと誰に聞いたんだよ…デマにも程があるだろ…」
失礼な話しだ。
「え〜、でも玲奈ちゃんからお兄ちゃんはニーソが凄く好きだって聞いたよ〜!」
「ブフッ…! 玲奈!?」
「ごめん直樹…つい話しが盛り上がって」
確かに大好物だし玲奈には履いてもらって楽しむことは確かにあるけれど……!
まさか実の妹にそんなことを知られてるなんて!
もしかして、玲奈を通じて僕の性癖が妹に知られてるなんてことないよね…?
とりあえず玲奈の目を見てみる。するとニコーと微笑まられた……可愛い。
ま、これ以上は藪蛇になるかもしれないし、人間知らない方がいいこともあるよね。
「でもごめんねお兄ちゃん」
「なにが?」
まだなにかあるの?
まさか玲奈にニーソとミニスカートを履いてもらってギリギリ見えないラインで絶対領域を楽しんでるのはバレてないよね……?
「やっぱり私のニーソは渡せないや」
「いらないよ!」
さすがに妹の脱ぎたてのニーソで興奮してたら変態すぎる。
ホントは少しだけ欲しかったなんて、これっぽっちも思ってないからね。
「じゃあ、私はシャワー借りるね」
そう言ってひなのはトテトテと洗面所の方に消えていった。
「あの〜、玲奈…なるべくさっきみたいな情報は言わないでくれると助かるな〜なんて?」
「うん、善処するわね」
その言い方は約束が守らないないパターンでは?
「お待たせ〜」
「おい…」
シャワーを浴びてリビングにやってきたひなのは真っ先に僕の腕に抱きついてきた。
「ウリウリ〜、お兄ちゃんの大好きな女子中学生のハグだよ〜」
まあ、確かに嬉しいか嬉しくないで言ったら嬉しい。
変な意味ではなく、兄として可愛い妹が抱きついてきてくれたから素直に嬉しいというだけだ…
別にそれ以上でもそれ以外でもない…
「もう満足しただろ…そろそろ離れろよ」
「またまた〜! ホントは嬉しいくせに」
そう言ってさらに抱きついてくるひなの。僕の腕には玲奈と比べると物足りないが中学生としては中々の大きさを誇る柔らかい2つの果実の感触がダイレクトに伝わる。
「ムー!」
それを見ていた玲奈が焦ったように僕の腕には抱きついてくる。
「いくら妹だからって直樹に抱きつきすぎじゃないかな……ひなのちゃん?」
両手に花とはこういう事を言うのだろう。右腕には可愛い妹、左手には愛しい彼女。
両方の腕に彼女たちの双丘が押しつけられて柔らかい感触が僕を包む。
そんな幸せを享受しているとひなのに話しかけられた。
「ところでお兄ちゃんに玲奈ちゃん」
「どうしたのひなのちゃん?」
なぜかニヤニヤしているひまり。なんだかめんどくさい事になりそうな予感がプンプンする。
「洗濯機に入っていたアレはなに?」
「アレ? なんのこと言ってんの?」
僕には心当たりはないが玲奈にはあるらしく、まさか! という顔をしている。
「エッチなエプロン。アレれ〜2人はあのエプロンをどんな事に使ったんだろうな〜」
ひなのの言葉に顔を真っ赤にする玲奈。どうやらあのエプロンを僕の前で着るのはよくても、他人に知られるのは恥ずかしいらしい。
まあ、ましてや彼氏の妹には知られたくないよね…
僕だって実の妹にニーソが好きだなんて知られたくなかったけど…
「いやー、ラブラブですなー」
そう言ったひなのは満面の笑みを浮かべて楽しそうニヤニヤしていた。