唐揚げ
キッチンからジュージューと何かを揚げる音が聞こえてくる。
その答えは鶏肉。本日の我が家の夕食は玲奈特製の唐揚げなのだ。
鶏肉を揚げる音と美味しそうな匂いを嗅ぐだけでも食欲をそそられる。
料理をしている玲奈の後ろ姿を見てこの前の裸エプロンを思い出して少しムラムラしてくる。
ああいうエチエチな露出度の高いエプロンもいいけど、普通のエプロンを着て料理をしている姿も家庭的でいい。
そうこうしているうちに唐揚げが完成したので出来上がった夕食を机に運んでいく。
今日の献立は唐揚げに豆腐とワカメの味噌汁、小松菜とツナのおひたしに白米、レタスのミックスサラダだ。
お盆に載せると全体的に色合いが良くて見栄えがいい。これなら定食屋で商品として出しても十分通用しそうだ。
ましてや美少女JKの手作りだ。そういう広告を出して宣伝すればだいぶ客が来るような気がする。
「いただきます」
目の前のお皿には揚げたての唐揚げが山盛りになっていて空腹を刺激する。
もう我慢できないと箸で熱々の唐揚げを掴んで口の中に入れれば美味しすぎて頬が落ちそうになる。
玲奈が作ってくれた唐揚げは、外はカリッと中はジューシーに仕上がっていて、それでいて隠し味に生姜が入っているおかげでこってりとしておらず後味が良くて食べやすい。
そのせいか箸がどんどん進み、気が付けば山盛りの唐揚げを1人で半分以上食べてしまっていた。
そんな僕を玲奈が嬉しそうに見ている。彼女は自分が作った料理を僕が美味しそうに食べている姿が好きならしく、食事中は視線を向けられることも多い。
「ごちそうさま」
たくさん食べて満腹だ。もうこれ以上は食べられそうにない。
「本当にいつもありがとね。こんなに料理上手な彼女がいて僕は幸せだよ」
玲奈の料理はレパートリーが豊富で品数も多く美味しいから本当に飽きない。僕の食生活は玲奈によって支えられていると言っても過言ではない。
それに胃袋を掴まれてるだけじゃなくて、色々なところで彼女のお世話になっている僕は玲奈無しではもう生きていけないだろう。
「ありがとう。でも褒めても何も出ないわよ?」
うっすらと頬を赤くして照れたような表情をする玲奈。
「他のものはいらないから玲奈のことが欲しいな」
「もう…既にあなたのものよ。私を捨てたら許さないからね…」
「それは無いよ。逆に愛想を尽かされないように頑張るよ」
僕の1日の大半の時間が玲奈によって構成されている。今さら彼女がいない生活なんて耐えられる気がしない。
彼女が作ってくれる食事を味わうことと夜の運動が僕の1日の楽しみなのだから。
休日は昼間から運動している時もあるけど…
ホントに玲奈には何から何までお世話になっているから感謝しかない。
僕にも彼女の為に何か出来ることがあればいいんだけどな。




