わがまま妹の癇癪で助かる訳あり令嬢の話
商会がそれなりになってくると、貴族とのつながりが必要なことがある。それは王室御用達、みたいな大きな話ではなく店と店同士のやり合い、商会ギルド内での首位争いのためという側面の方が大きい。要するにマウントの取り合いだ。
本物の上流階級の貴族が使う店というのは貴族の身内が始めていることの方が多いので、完全な庶民上がりでお貴族に見初められるのはある意味流行りの恋物語と似たようなところがある。だから、うちは裏にあの家がいるんだぞ、というだけでそれなりの見栄が晴れるし箔もついた気になるのである。そんな醜い世界、没落しかけの歴史の古い家なんてカモを見過ごすはずがない。その家に未婚の娘がいれば尚更。
要するに、自分のところの商会はそういうカモを捕まえて、他の商会を見下す必要がある段階にはいっていた。しかし男、ディックは30も後半でそれなりに稼いでいるのに嫁のいないあぶれものだった。理由としては外見だ。商会はそれなりでも、そのそれなりのために小太りで生え際も後退してきた疲れた顔の男に嫁ぎたいと思う女はいなかったのだ。
結局金より顔じゃないか!ディックは定期的にそう酒を煽っては叫んで、女将にうるさいと酒場を叩き出されていた。だから今回屋敷の一つを売りに出さなければならないほど困窮した伯爵家に半ばヤケで結婚の話を持ち込んだ時、どうせ貴族の女だ、下町の女よりも嫌がるに違いないと冷めた気持ちで返事を待っていたのだが。
「……あんた、なんで笑ってるんだ?」
「え?あ、その、この婚姻が嬉しくて……」
「は?」
このように。目の前にいる娘はにこにこと心から笑っている。自分も人商売で生きてきた、人の表情の嘘くらい読める。信じられないことにこの小娘は自分の親ほどの歳の男の妻になることを喜んでいるのだ。思わず素っ頓狂な声も出る。
そのまま向かいの娘をまじまじみたが、そこで違和感に行き着いた。貴族らしく整った顔をしてはいるものの、ぱっと目立ったところのない娘だ。広告塔として伯爵家で蝶よ花よと愛されて、社交界でも噂らしい虹の宝石姫とやらを所望したものの、目の前の娘に宝石ほどのきらきらしさはない。貴族も見栄を張る時代なのかと首を捻ると、こちらの反応に娘は軽く手を叩いて軽く頭を下げた。
「すみません、私、姉の「じゃない方」ですの」
「姉?いたのか……こっちは妹に手紙を出したんだがね。あぁ、いや!べつに、俺がそういう趣味ってわけじゃ」
「わかっております、両親も私のことはあまり口にしませんから」
くすくすと気分を害した風でもなく笑う娘。その仕草はやはり貴族のお嬢様なのだと感じさせられる。まじまじと顔を見てしまった後に我に返り、ディックはぽりぽりと頭をかいた。聞かないわけにはいかないがなんとなく察せられる。
要するにこの娘――アリアナというらしい――は両親からの愛情を全て妹に掻っ攫われてきたらしい。両親はディックの商会と繋がって金回りの融通を利かせたいが、自慢の娘はより良いところに嫁がせたい。どうせ卑しい平民なのだから、器量がそこまででもない娘を送りつけたところで文句は言うまい。おまけに未だに嫁も見つからぬ男だ、どうせ女の一つも知るまいと……まぁ、これは流石にいきすぎたディックの被害妄想だが。おそらくこちらの予想は当たらずとも遠くはあるまい。
さて、それで何故アリアナは満面の笑みになるかといえば、なんと先日名高い宝石姫ではなくアリアナの方に釣り書きが届いたのだという。お相手はなんと王弟である公爵閣下、氷のような冷たい美貌で知られる美丈夫だったそうな。それに両親は困惑、妹は大激怒。あれよあれよと言う間に入れ替えで婚約を結ぶことに家の中で決定されてしまい、アリアナは異様なスピードでこちらに返品不可で届けられたという次第なのだそう。そこまで聞いてディックは頭を抱えた。
わからない。公爵という雲の上どころではない存在のほぼ決定事項の婚約に伯爵家の中で勝手にあれこれやらかし、その末たたきだされた娘がにこにことしているのはもっとわからない。戸惑いに顔を上げると、アリアナは少し目を泳がせてぼそりと呟いた。
「私、閣下が生理的に無理なので……」
「生理的に」
「寒いあだ名を聞くと全身に発疹が出るんです」
「すごい体質だな」
こんな嘘みたいな話をされて声を荒げなかった自分を褒めてやりたい、ディックは心からそう思った。しかしアリアナは真面目な顔で二の腕をさすりながら気分が悪そうにぼそぼそと続けた。
「あの方だけではなく、他の方も……令嬢とかでもちょっと……虹の……なんとか姫も発作を誘発するので」
「それおたくの妹のことだよな?」
「あ、好悪とかではないですよ。聞くだけで首から痒くなるんです。最初に言い出した人の上手いこと言った感も合わせて」
まぁ確かに。宝石姫なんてディックには素面でとても言えない。貴族なら普通なのかもしれないと思うのはなんとなく優雅なイメージが漠然とあるからだろう、何かと迂遠、かつ豪奢にしたがる、そんな偏見だ。最初に言い出した人間の勇気はすごいし、それをピッタリだと喜んで広めた人間もすごい。なんとなく納得がいってしまって軽く頷くと、こちらの様子に話せる相手と認識したか、アリアナは気持ち、前のめり気味に話を続けた。
「なので妹がなぜか私に来た縁談を勝手に自分のものにして嫁いでいったのには思わずはしたなく飛び跳ねて喜んでしまいまして」
「いや……公爵様が自分から氷の冷血大公とか名乗るわけじゃな、」
「いやぁぁあ!!やめてください!!発疹が!!」
突然の絶叫に驚き仰け反ると、アリアナは言葉通り首やら腕やらを途端に掻きむしりはじめた。演技かとおもってみたが、実際袖から見える腕には確かに赤い斑点が見える。なんという反応速度か。ディックは痒い痒いと悲鳴をあげながらのたうち回るアリアナをおろおろ見下ろした。
「ほ、本当に出るのか……」
「本当に、本当に、やめてください……私、そのせいでこんなに肌が荒れているんですから……」
「え、そ、そうなの?」
肌をじっと見ると、確かに赤みが強くボコボコと隆起したところがある。どれだけ薬を使っても社交界に出るだけでこうなるのなら生活にも支障が出るだろう。これでは彼女の両親が妹を優先したのも頷ける。社交に出るたびに全身を腫らして帰ってくる娘とわがままではあれど器量よしのためちやほやされる娘、どちらが家に有益かは明らかだ。
ディックはアリアナが荷物から薬を取り出して飲み込むのを見て部屋から出ると、商品の一つである塗り薬をそろそろと渡した。無邪気に喜ばれてしまったが、モニターとして効き目がどれほどのものか試して売り出したいという下心ゆえなので、今度はこちらの胸が痒くなる番だった。
しかし、その結果はわからないかもしれない。なにせ公爵からの縁談をうやむやにしたのだから即日妹が返送されてアリアナが出ていくことが考えられる。ディックとしてはどちらでも構わないが、せめて商品の性能は知りたい。顎を摩り思い悩んでいると、アリアナは遠慮がちにディックを見上げた。
「……あの。あとで手違いを元に戻されると困るので、しっかりさせておきたいのですが、よろしいですか?」
「え……ま、まぁ、貴族の娘ならどっちでもいいけど……大丈夫か?」
「大丈夫、夜には落ち着きますわ」
「……え!?い、いや、そういう意味じゃ……だいたい俺は自分で言うのもなんだがその、」
「大丈夫ですわ」
「……そ、そうか」
もともと式は隣町の両親を呼び寄せてから行う予定だったのだが。やけに意欲的なアリアナが婚姻届にサラサラとサインをして早速教会に持っていこうと意気込むのを呆れながら見て、ディックは不安になった。本当に良いのだろうか、持病こそあれアリアナはやはり貴族の娘だ。問題が起こるに違いない……そう思い教会まで引き摺られていき、それから夜、そして翌日を迎えると想像通りのものが待っていたのである。
「アリアナ、迎えに来た」
「はあ」
低いながらも甘い声。氷とは一体。見事な銀髪を後ろに流した公爵様はそのご立派な見た目に不釣り合いなディックの家の外でアリアナに傅いた。公爵様の方はアリアナに親しげな様子だが、アリアナは全くピンときていないようで、その蕩けるような笑みを前に小さく首を傾げている。
朝から急に家の外が騒がしくなり公爵家の家紋を下げた馬車が窓から見えた時、ディックは予想していたものの実際の恐ろしさに腰を抜かしたものだ。気怠げなアリアナをゆすって起こし、急いで身支度を整えさせ、心臓をばくばくさせながら外に出てみれば公爵はアリアナのみをロックオン、ディックなど道ばたの石ころ以下。認識さえされなかったが、逆にほっとしたものだ。
「あの、リヴァル公爵閣下。私はしがない伯爵家の出、貴方様の身分に釣り合うとは思えませんし、なにより互いに面識もないはず。何故私をお望みに?」
「……面識がない、か。無理もないな。君はあの時随分と幼かったから」
切なそうに目を伏せ、公爵様は膝をついた姿勢から立ち上がるとアリアナを熱のこもった瞳で見つめ、ゆっくりと過去を語り始めた。
十年ほど前、王城で貴族の子供たちを集めてのガーデンパーティがあったのだという。そこに当時18、要するに婚約者を決めろとせっつかれる年頃だった公爵も出席していたらしい。歳の離れた兄の子が5歳になった祝いとして形式的に参加したものの、パーティの本質を理解していない親連中からうちの娘はどうかと押し売りを受けて辟易としてパーティ会場から少し離れた庭園で楽しげに花を眺める少女が目に入った。
――ご令嬢、会場はあちらだ。
そう声をかけると驚いた少女はぱっと振り返った。子供らしく輝いた瞳がこちらを見上げたので、視線だけで後方を指し示すと、少女は小さく首を振った。
――いえ。私、王子殿下よりお花が好きですので。
あっさりと言い切った少女に彼は脱力した。他の令嬢たちは自分を売り込もうと幼いながらも輝く美貌の王子に集まっているというのに。少女は彼にぺこりと一礼して、庭園からさらに離れて噴水の方へと向かおうとして、振り返るとふわりと微笑んだ
――殿方でも美しい景色には癒されるものです。私のことは気にせず疲れを癒してください。
その気遣いと柔らかな笑顔に彼は小さな胸の鼓動を感じた。初めて感じるその感覚が愛しいということだと分かったのは、彼女が去り、パーティが終わった後のことだ。
それからどんな令嬢が彼に近づいても、彼は違うと感じた。打算ではなく純粋にこちらを慮る笑顔、それが忘れられなかったものの名を聞くことも出来ず数年。やっとあの日の面影をもつ少女をパーティで見かけることがあっても、拒否権のない王城の舞踏会にしか姿を見せず、かつ、壁の花となってはすぐに中座してしまう。公爵である身の上、自由に動くことは出来ずアリアナに声をかけようにも社交の相手に阻まれる。そういったことを繰り返していくうち、アリアナの家が傾いていることを知った。だから社交の場には最低限しか姿を見せないのだと。どうにか彼女と関わりを持てないかと考えているうち、伯爵家が大きなタウンハウスを手放し商人と婚姻を結ぼうとしていると耳に挟みやにわに焦った。
このままでは彼女は売りに出されるような形で誰かの妻になる。その前にどうしても会いたいとやや強引に婚約を申し込んだ。ずっと他人を寄せ付けなかった男の体裁を保つための契約婚だと思われてもいい。どうしても彼女、アリアナの笑顔を見たい。それを受ける旨の手紙が届き、いざ花嫁を待っていれば、馬車から降りてきたのは彼女と全く似ても似つかない美貌だけの妹。彼の嫌いな恋に浮かされた目をして縋り付いてくるのを払い、馬を飛ばして伯爵家へ、そして入れ替えが起こったことを顔面蒼白の伯爵に吐かせてその足で朝、ディックの家に乗り付けたという。
ほぼ休みなしで来ただろうにその容貌には隈などない、やはり美形は違うのだとディックは遠い世界を眺めていた。そして、物語のような思い出話を聞かされていたアリアナといえば、言葉もなく公爵の顔を見つめていた。やはりあれほどの美丈夫なのだ、記憶には残っているのだろう。焼き餅を焼く土台すらないディックはその様子を観察していたが、何故か空気は寒いまま。
「…………」
「…………」
「……えっ?それで?」
「え?」
「いえ、ですから。あの、閣下が私に好意を持ったことはわかりましたが、それから10年は経っていて、会話も初めてですよね?」
「そ、そうだな」
「それで求婚をされて、どうか……といわれても、怖いな、としか思わないのですが……」
「こ、怖い……?」
「はい、怖いです」
あっさりと切り捨てたアリアナにディックは目を剥いたが公爵に認識されないよう柱の一部となるよう心がけているいま、声が出るのを必死に押し留めた。
まぁ、アリアナの言にも一理ある。一目惚れというのは物語の鉄板だが現実で10年やっていくとなると理由が薄すぎる。そんな些細なエピソードで初恋を引きずっている三十路は、やや夢みがちすぎるというか、痛い、までいくかもしれない。君と会っていたんだ、と言われてもまともな交流もない相手から言われたら薄い反応にもなるだろう。そしてその相手が好感度マックスできたのなら戸惑いもする。公爵が驚いて瞬きを繰り返すのを見て、アリアナはそっと胸元に手をやった。
「それに私は昨夜夫に身を捧げました。格式ある貴方さまの家に入ることはかないません」
「そのようなことは気にしない!俺は君しか考えられない!」
「貴方さまは尊い王弟殿下なのですからそうはいきません。それに、笑顔だけの私を好きになってくださったのですから他の方でもきっと大丈夫です」
「い、いや……笑顔だけでは……」
「私のようなものを好いてくださって光栄でした。貴方の良き出会いを心より祈っております」
深々と腰を折って頭を下げるアリアナ。公爵は硬直してそれを見つめている。それ以上食い下がってこないところをみると、アリアナの真っ当な指摘を理性の方では受け入れているのだろう。
しかし、この空気、有り体にいって地獄である。公爵のそばに控える執事?のような男はわかりやすく冷や汗を垂れ流している、いままで色恋をしてこなかった主人の初恋が実るのだと浮ついた気持ちにいきなり冷水をぶちまけられたようなものだろう。正直、ディックとの結婚がなかったとしてもアリアナと結婚生活を通して愛を育む……というのも無理だったように思える。
何せ温度差がひどい。向こうにとっては運命の出会いでも、おそらく幼少期から持病があったアリアナにとっては、避難先に元の場所に連れ戻そうとする大人が来たから適当なことを言って逃げ出したくらいの出来事の可能性がある、というか、彼女の反応を見るに絶対にそうである。
彼は何も悪くない、ただ、想いを育てすぎただけなのだ。たっぷりとした間があったあと、顔色の悪い執事がか細い声で「これ以上の滞在はまわりのものに……」としどろもどろながら主人へ忠言すると、公爵の方も呆然としたまま「……そうだな」と呟き意気消沈して馬車へ乗り込んでいった。その引き際を見ても、よい人物なのだろう、一度アリアナを振り返りかけて、彼女が頭を上げない気配を感じ取りすごすごと中に入って行った。
とてもいたたまれない。御者が一度こちらをじろっと睨みつけていったが、それくらいしてくれないと罪悪感がすごいことになっていたディックはつい感謝の意味で頭を下げてしまったほどだ。壮絶に疲れるトラブルが去っていき、ようやく頭を上げたアリアナにディックはおどおど声をかける。
「……公爵様は悪いお方ではなかったと思うけど、いいの?」
「そうでしょうか?冷血とは程遠い様子でした。であれば普段…………あのような肩書きで知られているのは、単純に愛想がなく、社交性に乏しいことを美化していただけのように思えます」
「何もそこまで言わなくても」
「それに、閣下が私を好きといったのは、笑顔というとってつけたような理由より、色恋にがっつかない珍獣を手元に置きたいという好奇心の方が強いと思います。やはり、人とのコミュニケーションは適切に取るべきですよね」
聞く人が聞けば不敬と首を切られてもおかしくない感想だ。確かに彼女は珍獣かもしれない。遠い目になりつつも、ディックは自分の姿を見下ろしてぼそぼそと言い募る。こんなことをいったとしても、昨夜起きた――というか起こされた――事実を元には戻せないのだけど。
「……で、でも、そういうのをおいてもあの方は俺なんかより……」
「私、人の美醜は気にしません。過ごしやすいことが一番です。貴族社会から外れるこの婚姻はある意味で救いなのですよ」
「まぁ、あんたのそれは本物だったしなぁ……」
難病も難病だ。気取った二つ名が蕁麻疹を引き起こすなんてどう配慮すればいいのか。屋敷の中に閉じ込めておくなんて病人の扱いだ。いや、実際病人だが、普段は快活なアリアナを知るものなら首をかしげることになろう。それに公爵夫人が社交をしないというのは問題も問題だ。愛でなんとか出来ることではないし、それを指摘する人間を権力で黙らせていてはいずれ何かで信頼を失うだろう。ディックは公爵に身分も忘れて同情しつつ、アリアナを見た。向こうは言葉通り、このだらしない見た目になんの嫌悪も抱いていない。それどころか晴れやかに笑ってお嬢様らしくスカートの裾を摘んだ。
「それでは旦那様、なにぶん甘やかされてきた貴族の娘ですからお役に立てないこともありましょう。それでも互いに頑張っていきましょうね」
「い、いいのかなあ……まあ、いいか。庶民にゃ関係ない話だし、親父たちも呼んじまった」
「ええ。あ、御義父様と御義母様には先走ったことは内緒にしましょうね、ふふ」
「は、話せるか!殺される!」
「まあ大変」
おかしそうに可憐に笑う娘。本当に自分の娘のような歳ごろだけれど、これからは名実ともに妻となるのだ。しかし、何故かうまくやっていけそうな気もするのは楽観的すぎるだろうか。何はなくとも、まずは商売の基礎を教えるところから。家族になるのだ、商いの何もわからないでは非常に困る。式までの準備の余った時間彼女にはそういう甘くない時間を過ごしてもらうことになる。そう脅すつもりで言い聞かせれば、楽しみですと脳天気な返事。聞くところによると、伯爵家のご令嬢でありながら、身内の店の手伝いをしたこともあったらしい。お貴族様とは。ディックはアリアナと出会って何度目かのため息をついたが、不思議と不快にはならなかった。
おしどり夫婦は別の意味でかゆいとアリアナが苦笑するのは、もう少し先の話。
小さい頃の思い出からの求婚ってお互いに交流とか思い入れがないと厳しいですよね、という話