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氷球部!  作者: ねこまた
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始まり

アイスホッケーに初めて出会った日の夜、蒼にいちゃんの家へ行ってアイスホッケーについて教えてもらった。


テレビに出てくるようなヒーローではなかったけど、「かっこいい=ヒーロー」だった自分にはそれだけで十分蒼兄ちゃんはヒーローだった。


アイスホッケーはプレイヤー5人、キーパー1人で戦う競技だということ。


交代は自由だということ。


たくさんの道具を身につけること。


接触プレーがあること。


この時は、それくらいしか聞かなかった。


「俺はもう小学校でホッケーやる時間はあんまないから面倒見れないけど、楽しいからミヤもやってみろよ!」


そう、蒼にぃちゃんは5つ上の小学校6年生。


ただこの時は、


①アイスホッケーがかっこいいということ


②蒼にぃちゃんに憧れていたこと


③蒼にぃちゃんとの遊びの中断がなくなること


この理由から、絶対にホッケーを始めたいと思っていた。


「うん!やる!!!俺もホッケーやる!!!」


すでにアイスホッケーが他の何よりもやりたかったし、蒼にぃちゃんに誘われたことがとても嬉しかった。


「あらあら、ミヤちゃんホッケーやる気になったのね。あ、そうだ!蒼が使ってた古い防具、まだあったはず!」


なにやらおばさんもやる気に満ち溢れている雰囲気だ。


「アイスホッケー始めるのは色々と大変なこともあるからね。お父さん、お母さんにも話しておこう。」


蒼にぃちゃんのおじさんがその後うちに来て、色々と話してくれたことを覚えている。


両親は突然のことで驚いていたが、蒼にぃちゃんの家庭の説得もありなんとかやらせてもらえることが決定した。


「ミヤ、よかったな!俺みたいになれよ〜?」


蒼にぃちゃんが俺の頭をクシャクシャ撫でながら言っていたが、その時はなんの意味なのかわからなかった。


「蒼くん、そんなにすごいの?」


母さんがおばさんに尋ねた。


だって悪者を倒すヒーロー・・・と言いたかったが、その前におばさんが


「3月にある全国大会の市選抜でキャプテンをやらせてもらうことになってるの。他にもうまい子はいるんだけどね・・・」


シセンバツ・・・?


キャプテン・・・?


何が凄いのかわからなかったが、父さんと母さんはとても驚いていた。


「すごい!将来有望ですね!」


なんだか大人たちは盛り上がっていたが、俺にはさっぱりわからなかった。


「蒼にぃちゃん、シセンバツって強いの?」


蒼にぃちゃんに聞いてみると


「たまたま選ばれただけだよ。もっとうまいやつもいる。役割ってもんかな?」


「へぇ・・・」


今思うと話の1割も理解できていなかったが、この日を境に俺はアイスホッケー選手となった。



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