プロローグ
この国の地位は魔力量で決まる。
そして、生まれた家の家格によって魔力が決まる。
つまり、男爵家に生まれた私は、その時点で低い身分で上位貴族の下働きとして生きていくことが決められているってこと。
それなのに、どうして学園に通わないといけないんだろう…
あんな場所で惨めな思いをして三年も過ごすなら、もういっそのこと今すぐどこかの邸に仕えてしまいたい。
自分たちの未来にキラキラする人達を目にすることなく、自分だけの世界で生きていきたい。
この前、父親が王宮からの打診で平民に戻る話をしていたけど、それも悪くないかも。
ピラミッドの底辺にいるのなら、底辺しかない場所の真ん中にいたい。
そう思ってしまうのは我儘なのかな?
この家に生まれて、周囲との違いを見せつけられて、この国の摂理を知って、両親と同じように慎ましく生きていくって覚悟していたけれど、学園生活が嫌すぎる…………
もし私が、ブロンドヘアーの美女だったらまた違った人生だったのかな…いや、髪色は魔力量で決まるからそれはあり得ない話か。
魔力が高ければ高いほど身体を構成する色素は薄くなっていく。
黒髪黒目の私は、どこからどう見ても最底辺…
せめてもう少し可愛げがあって明るくて誰とでも仲良くできたのなら、学園にいる間くらい楽しく過ごせたのかな。
…いや、この身分でこの見た目で周囲に溶け込めなかったのだから、それも違うか。
結局私の人生は、生まれた時に全て決まっていて、自分で変えられることなんて何一つ無いんだ。
この家に生まれたことを悔やむしかないのかな…
今度は久しぶりに?ツンデレ要素を盛り込んで、ポップな話にする予定です!そんなに長くならない予定ですので、気になった方はお付き合い頂けますと幸いです。
また宜しくお願いします(´∀`)