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第一話

クレーンゲームの天使たち


第一話



出掛けに、パパの太郎さんは、ママ静江さんから、今日の小遣いをもらった。


パパの小遣いは、お昼ご飯を食べるといくらも残らない。


そんなパパが、夕方コンビニ袋を大事に抱えて仕事から帰ってきた。


コンビニ袋には、ネコのぬいぐるみが一個入っていた。


……


夜がけて、片付けものが終わって、ママの静江さんは食卓のイスに座った。家はもう寝静まっていた。


食卓の上には、ママの静江さんの前には、コンビニ袋に入れてパパの太郎さんが持ち帰ったネコのぬいぐるみがあった。ママの静江さんは、ぬいぐるみのネコを手に取るとみた。ママの静江さんは、しばらく、このぬいぐるみのネコを眺めていた。


パパの太郎さんの話では、このぬいぐるみのネコは、会社からの帰り道、偶然見かけたものだという。


このネコは、とあるゲームセンターの中にあるクレーンゲームの景品としてクレーンゲーム機の中にたくさんのぬいぐるみと一緒に置かれていたという。


「クレーンゲームの操作なんて、ほとんど初めての体験だから、クレーンを操ってこのを手に入れるのに、ヘソクリのほとんど使い果たしてしまったよ」


パパの太郎さんは、ママの静江さんに報告した。


そして、パパの太郎さんは、コンビニ袋から取り出したネコのぬいぐるみを満足そうに眺めていた。


あとで娘の宝子たかこが、ママの静江さんに言った。


「なんで? こんなぬいぐるみに必死になんなんてパパらしくないよ」


ママの静江さんは、夜が更けて、パパがコンビニ袋入れて持ち帰って来たネコのぬいぐるみをもう一度よくよくよくよく見てみた。


そのぬいぐるみのネコの姿に、そのネコの容姿に、ママの静江さんは、まったく心当たりがなかった。


ママの静江さんも、あきらめて寝ることにした。


……。


その晩、パパの太郎さんは、夢を見ていた。


パパの太郎さんの夢には、一匹のネコがいた。そのネコは、パパの太郎さんが子供のころに飼っていたネコだった。そのネコは、パパの太郎さんに何度も何度もじゃれついて来た。


確かに、子供のころのパパの太郎さんにじゃれつくネコは、どことなく、パパの太郎さんがコンビニ袋に入れて家に持ち帰って来たぬいぐるみのネコに似ていた。

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