第四話 はじめての進化
翌日。母のいないことに、不安を露わにしたきょうだいたちを宥め、狩りへと出掛けた。
まず、見つけたのはゴブリンだ。サクっと狩った。相変わらず、不味い。
たまに、スライムも見つけるのだが、食べるところもほとんどないし、無視した。
本命、ワイルドボアを発見。みんなで頑張った。1匹、臆病な個体がいて、逃げられた。右の牙を折ってやった。
新たな獲物も見つけた。
『種族:ワイルドディアー 闘級:F』
鹿だ。ちょっと、角が危なかったけど、猪より臆病だったから、2匹狩ったところで、後は逃げ出した。
ちょっと、森の奥を探検した。能力を見れる奴がいなかった。危ないので、静かに帰った。
……
『名称: 性別:雄
種族:ワイルドドッグ・リーダー 闘級:F
レベル:10/10 状態:健常
パラメータ
筋力:110 体力:110 魔力:110 技巧:110 敏捷:110
スキル
特性:【異界の魂】【理の声】【自動翻訳】【能力閲覧権:lv.1】【共鳴】
戦術:【爪牙術:lv.5】【遠吠え:lv.7】【指揮:lv.4】
魔術:
耐性:【獣の毛皮:lv.2】
称号:【異界人】【転生者】【群れの長】 』
そんな生活を続けて、数日。ようやく、俺のレベルがカンストした。
さぁ、進化だ!!
〈進化先を表示します〉
〈ワイルドウルフ・リーダー:ただの狼。ワイルドドッグの基本的進化系統。闘級:E。群れの進化先:ワイルドウルフ。〉
〈ダブルヘッド:双頭の魔犬。特殊進化系統、その後の進化系統が魔犬系統に固定される。闘級:D。群れの進化先:ヘルハウンド。〉
〈コボルト・リーダー:犬の亜人。特殊進化系統、その後の進化系統がコボルト系統に固定される。闘級:E。群れの進化先:コボルト。〉
むむ、うーん。人型になれるから、コボルトと言いたいが、絶対、弱いままだよな。コボルト系統に固定って。となると、ワイルドウルフかダブルヘッドか。頭、二つになったら、どうなるんだ?なんか、怖いな。狼でいっか。闘級一つ飛ばしも、魅力的か?いやいや、双頭の恐怖のほうが強いわ。うん。
ワイルドウルフで。
〈ワイルドウルフ・リーダーに進化しますか?〉
イエス!
〈進化を開始します〉
マムの時みたく、俺が影で覆われる。チラッと見えたが、きょうだいたちも覆われていた。
〈ワイルドウルフ・リーダーに進化しました〉
〈【遠吠え】が【咆哮】に昇華しました〉
〈【獣の感覚】【疾駆】【隠密】を獲得しました〉
〈【能力閲覧権】がレベルアップしました〉
〈【獣の毛皮】がレベルアップしました〉
ふむ、終わりか。ではでは、能力はっと。
『名称: 性別:雄
種族:ワイルドウルフ・リーダー 闘級:E
レベル:1/20 状態:健常
パラメータ
筋力:110 体力:110 魔力:110 技巧:110 敏捷:110
スキル
特性:【異界の魂】【理の声】【自動翻訳】【能力閲覧権:lv.2】【共鳴】【獣の感覚:lv.1】
戦術:【爪牙術:lv.5】【指揮:lv.4】【咆哮:lv.1】【疾駆:lv.1】【隠密:lv.1】
魔術:
耐性:【獣の毛皮:lv.3】
称号:【異界人】【転生者】【群れの長】 』
おぉ、きょうだいたちは?ん?能力平均20?弱体化してるな。普通は、そうなのか?闘級はFか。スキル変化は大体、同じで【連携】を獲得してる。えっと、スキルの効果はっと。
『【獣の感覚】
獣が持つ優れた五感により、気配を察知する。
【咆哮】
咆哮によって、威圧する。格上にも、効果あり。【遠吠え】の効果を内包する。
【疾駆】
強靭な四肢によって、素早く駆ける。
【隠密】
気配を隠す。索敵系スキルを同レベルまで無効にする。
【連携】
集団行動において、能力に補正が掛かる。【指揮】の影響を受けているとき、一時的にこのスキルのレベルが上昇する。 』
ふむ、純粋に強くなったな。【連携】ってそんな効果だったのか。あと、【能力閲覧権】はレベルアップにより、一つ上の闘級の能力も閲覧できるようになった。
最後に姿は、うーん、きょうだいを見るに、灰色の毛並みに、ザ・狼な顔。大きさも普通の狼だろ、たぶん。瞳は黒だな、うん。
よしよし、そんじゃ、明日からも頑張ろう!