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怒りと嘆きの獣道  作者: 龍崎 明
序章 イジュラの森
3/32

第三話 母よ、さらば

 あの後、巣穴に戻り、眠りについた。ちなみに、ゴブリンの肉は食べた。不味かった。


 翌日。


 またまた、母に連れられて、見つけたのは猪だった。


『種族:ワイルドボア 闘級:F』


 ちなみに、コイツのレベルは2と俺より弱い。能力も俺がレベル2の頃より、低い。俺一人で勝てる。だが、群れてる。他の連中もレベル2が多いが、一匹だけ3だ。もちろん、能力は俺より低い。何がもちろんなんだ?

 まぁ、草食動物だし、俺が1匹、きょうだいが1匹担当すれば、良いか。後は逃げるだろ。


「アォーーン!!」


 開幕、【遠吠え】。怯んだ哀れな草食動物。レベル3の奴に襲い掛かる。なるべく、きょうだいの危険を排除だ。きょうだいたちも、近場の1匹に狙いを定め、飛び掛かる。


 レベル3の奴の首筋に噛みつく。めっちゃ暴れるので、爪で押さえ込み、噛みちぎった。沈黙。生き絶えたようだ。きょうだいたちも、なんとかなってる。他の猪は?


 残り3匹。好戦的な目でこちらを見ています。なんでじゃ?!


 しかたあるまい。戦争じゃあ!


「アォーーン!!」


 【遠吠え】で、もう一度、竦ませる。手近な1匹に襲い掛かり、首筋を噛みちぎる。残り2匹は、仕留め終わったきょうだいたちが牽制してるので、隙をついて倒してやった。


 何故、逃げなかったし?


〈レベルアップしました〉


 これで4か。


 ……


〈レベルアップしました〉


 5だ。ちなみに、闘級がGのきょうだいたちはこれでカンストである。だが、進化する様子はない。【共鳴】の弊害だろう。俺と同時に進化するのだ。猪肉は美味かった。うん、だが、質量関係がおかしい。何故、あの量食べれた?まぁ、良いか。


『名称: 性別:雄

 種族:ワイルドドッグ・リーダー 闘級:F

 レベル:5/10 状態:健常

 パラメータ

 筋力:60 体力:60 魔力:60 技巧:60 敏捷:60

 スキル

 特性:【異界の魂】【理の声】【自動翻訳】【能力閲覧権:lv.1】【共鳴】

 戦術:【爪牙術:lv.2】【遠吠え:lv.2】【指揮:lv.2】

 魔術:

 耐性:【獣の毛皮:lv.1】

 称号:【異界人】【転生者】【群れの長】    』


 うんうん、相変わらず、上昇値10だ。軒並み、スキルのレベルも上がっているが、攻撃を受けないので、【獣の毛皮】が上がらない。

 きょうだいたちは、能力平均25だ。レベル1の俺より少し、強いくらいか?スキルの上昇はなかった。


 巣穴に戻り、俺たちは眠りについた。


 ……


 深夜、俺は物音を聞いて、目を覚ました。


「ワウ?」


 キョロキョロと周囲を見れば、ホントに野生なのか不安になるきょうだいたちの寝顔。それに寄り添うように眠るはずの母の姿がなかった。


 ?!マム!どこ行った!!


 俺は、野犬の嗅覚を頼りに外に出る。しかして、マムは巣穴のすぐそばにいた。


 マム?


 マムは、月を見上げていた。今夜は、満月だ。犬系の魔物には、思うところがあるのかもしれない。俺はよく分からないが。


「ワウ?」


 俺の鳴き声にこちらを向くマム。目を細め、彼女は、また、月を見上げる。そして、影がマムを覆った。影が晴れたとき、マムは別の魔物になっていた。さっきまで、俺たちと同じ、ワイルドドッグだった。でも、もうマムの種族を見ることは叶わなかった。茶色かった毛並みは、漆黒に。狼系ではあったが、どこか愛嬌のあった顔は精悍に。


『我が子よ、強く生きろ』


 今まで、聞くことのなかった明確な言葉。進化により、マムの知能が上がったのだ。【自動翻訳】で聞き取ったそれに、俺は別れを感じ取った。そして、マムはどこかへ走り去っていった。


 さようなら、マム

【自動翻訳】がなければ、イメージが伝達されていました。

 ちなみに、母犬の心境は

(鳴いてくれないのか、冷たい我が子だ……)

「クゥーン……」

とかだったり、しなかったり

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