第十七話 西の森
三ヶ月以上、ぶりです!
でも、メインの作品はまだ終わっていないので、これの後はまた、大分空くと思います。ごめんなさい。
「おはよー!」
「おはよう」
翌朝、ギルドに赴けば、すでにリゼットがいた。彼女の元気な挨拶に、ブランカも愛想良く応える。
「よーし!何にするー?」
「うーん……」
早速とばかりに、依頼掲示板を確認する二人。ちなみに、レイバックは大人しく、リゼットの隣に控えている。俺もそれに倣ってブランカの隣に控える。
やがて、他の冒険者もチラホラと見え始めた頃に、二人は依頼を決めた。
……
現在、拠点としているテイマニアの西方には、俺の故郷であるイジュラの森に似た深い森が存在している。
二人の決めた依頼は、この森に潜む魔物の討伐であった。二人は、現状Fランクとなるが、パーティを組んでの活動ということで、Eランクの依頼を受けている。
先導は俺、殿はレイバックが務め、後衛型である二人は間に挟むかたちで歩いていた。
やがて、少し丘になったところに空いた横穴を発見する。その穴の側には、見張りなのか、一体の魔物がいる。
緑色の肌をした醜悪なる小鬼。そう、ザコの代名詞ゴブリンさんである。不味いものの代名詞でもある。
『見つけた』
「ホントだ」
ブランカは頷いて応え、リゼットは小声で応えた。ちなみに、リゼットは従魔師としてのスキルがあるので、【自動翻訳】の使用に問題はない。
「どうする?」
「うーん……」
どこか暢気な二人であるが、これは従魔である俺たちへの信頼の証だろう。これも経験である。しっかり考えるのだ。うんうん。
「巣穴の中で対応するのって、難しいよね?」
「そうだねー、レイバックもルピナスくんも大きいしね。それじゃあ、レイバックに囮になってもらう?ルピナスくんだと、逆に引きこもられそうだし」
「いいの?」
「うん、大丈夫」
「わかった、じゃあそれでいこう」
「はーい、じゃあ。レイバック、見張りゴブリンの前に出て、巣穴の中の奴らも引っ張り出してきて」
「ブモ」
指示を受けたレイバックは、のそのそと見張りゴブリンの前に現れた。
「ギギャ?……ギャーギャー!」
一瞬、惚けたゴブリンだったが、涎を垂らしながら巣穴の中に呼び掛ける。どうやら、レイバックを今日のご馳走にしようと企んでいるらしい。
ワラワラと巣穴の中からゴブリンたちが現れる。そして、最後に出てきたのは、普通のゴブリンよりも少し大柄な……大柄な?
『種族:オーク 闘級:E』
オークだった。ゴブリンの群れの中にオークが紛れ込んでいた。おかしい。どうやら、リーダー格をやっているようだが、魔物は基本的に同系統にしか従わない。だが、悠長に考えていては、流石にレイバックが危険である。
「ルピナス、お願い!」
ブランカの言葉が終わるよりも早く、俺はゴブリンたちの前に飛び出した。それに遅れて、リゼットの【強化魔術】が俺とレイバックに掛けられる。
そこからは無双だ。今更、俺がゴブリンやオーク如きに負けるはずもなく、そこにブランカにリゼット、レイバックがいては万が一も起こり得ない。
俺たちは、オークの存在に首を傾げながらも、帰路につくのだった。
評価のほど、何卒何卒よろしくお願いします!