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怒りと嘆きの獣道  作者: 龍崎 明
第一章 従魔の街
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第十五話 アンデッド退治

 ブランカの装備を整え、外に出ることにした。とはいえ、すでに、昼も過ぎ去り、すぐに夕暮れとなってしまうような時間帯だ。本格的な行動は、明日にして、俺の嗅覚でさっさと薬草を探した。

 門近くの草原に生えるような薬草であるので、特に問題が発生することもなく、規定量を採取し終え、俺たちは街に戻り、ギルドに報告した。幾らか金銭を得て、梟の止まり木亭で夕飯を食べれば、旅の疲れもあって、ブランカの寝息が聞こえてきた。


 ……


 翌日、ブランカを【水魔術】で洗うついでに、起こした。


「ひゃっ!?」


 突然のことに、飛び起きるブランカであるが、辺りを見回して何事もなかったかのように、ベッドに戻った。


 って、おい。


『起きろ、ブランカ。朝だぞ』


「んー、あと5分……」


『しっかりしろ。朝食を食べ損なうぞ』


「むぅ、それは嫌。起きる」


 寝惚けた状態で、身体を起こし、ブランカは目を擦りながらも、欠伸を一つ。身支度を整えて、ギルドに向かった。


 ……


 既に、粗方の依頼が捌けている掲示板に愕然としつつ、冒険者って意外と勤勉なんだなぁと感心した。目ぼしい依頼を見つけることができず、仕方無しにアリカを訪ねた。


「おはようございます、ブランカ様、ルピナス様」

「おはようございます」

『おはよう、それで良い依頼はないか?』


 朝の挨拶を交わして、俺の問い掛けに応えるべく、アリカが手元の資料をめくる。


「こちらなどいかがでしょう?」

『なになに……』


 アンデッド討伐依頼。F級。街の共同墓地で発生しているアンデッドの討伐。出現するアンデッドは、ゾンビやスケルトンなどの最下位種族のみ。例外、発生の場合は逃走可、報告によって報酬追加、討伐しても報酬追加。


『これ昼間にできるのか?』

「はい、共同墓地は地下にありますので」

『教会は何をしてる?』

「この街の神官は、治癒専門の方でして。地方都市ですし、聖騎士などの戦闘系神官職の方を呼んでもらうにもお金が掛かります。そこで、寄付金から依頼料を支払って当ギルドに依頼なさっています」

『ふーむ、まともな奴ってことか』

「はい、上役の指示もあって、お金のある者には高い寄付金を要求しますが、ない者には内密に無料同然で治療しているようです」

『それじゃ、この依頼を受けるよ。それで良いか、ブランカ?』

「えぇ、この依頼を受けます」


 というわけで、アンデッド討伐に向かった。


 ……


 共同墓地は、石造りの迷宮のような場所だった。

 元々、アンデッドが街中に間違っても、現れないように、出入り口を塞ぐことのできる地下に建設された地下墓地のため、アンデッドが簡単に出てこないように、迷路となっているらしい。


 アリカに渡された墓地の見取り図を眺めながら、トボトボと歩く。俺にしろブランカにしろ、鋭敏な嗅覚がなんとも言えない死臭を感じて、依頼の選択を誤ったように思えたが、ブランカの相性を考えれば、楽な仕事だったのは事実だ。ただし、途中から【風魔術】で結界を張って、俺の魔力感知に切り替えたが。


 アンデッドに遭遇すれば、ブランカの【神聖魔術】によって、問答無用で天に召されることとなり、殆ど害獣駆除と変わらない作業だ。討伐証明となる魔石を採取するのも、それ以外の肉体は灰と化すので楽なものだ。


 お腹が空いて、昼頃かなと思ったところで、街に戻ることにした。

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