第一話 誕生
?なんだここ?真っ暗だ。
うーん、ん?壁が柔らかい?ん、俺以外にもいるのか、なんか動いてんぞ。んー?
もぞもぞ
お!こっちが出口っぽいな、よいっしょっと。
「クゥーン!キャウキャウ!!」
何の音だ?ん?これ、子犬の鳴き声っぽくね?
「ワウワウ!」
うお!?なんだよ、オマエ!デカい犬だなぁ。ん?あれ、俺が小さいのか?ん?あれ、俺の手、毛むくじゃらだなぁ、ははは!
って!?なんで、犬になってんのー!!!?!
……
俺が第二の誕生を果たしてから、しばらく。これが夢でないという実感が湧いてきました。現状を確認いたしましょう、はい。
どうやら、ここは俺がいたのとは違う世界のようだ。産まれたばっかで、視覚があったことは冷静になった後、疑問に思ったことだが、そもそも、向こうの生物常識が通用しそうにない。
でだ、このようなことを確信した理由はだな。うん、まぁ、俺の名前とか、友人とか、パーソナルな記憶がないことから、自分を確認したいと強く念じたときに出現したこれだ。
『名称: 性別:雄
種族:ワイルドドッグ・リーダー 闘級:F
レベル:1/10 状態:幼体
パラメータ
筋力:20 体力:20 魔力:20 技巧:20 敏捷:20
スキル
特性:【異界の魂】【理の声】【自動翻訳】【能力閲覧権:lv.1】【共鳴】
戦術:【爪牙術:lv.1】【遠吠え:lv.1】【指揮:lv.1】
魔術:
耐性:【獣の毛皮:lv.1】
称号:【異界人】【転生者】【群れの長】 』
こんなの表示されました、はい。ちなみに、きょうだいの能力は、ただのワイルドドッグで、闘級はG、平均能力5と、俺とは、四倍の開きがありますね。だが、まぁ、状態が幼体なので、パラメータは軒並み減少補正をくらっている。もちろん、きょうだいたち、ちなみに、4匹いるんだが、そのスキルに異世界関連らしきものは、当たり前だがない。後、【指揮】と【共鳴】も持っていなかった。称号も、【群れの長】ではなく、【群れの一員】だった。
ちなみに、今は母犬の乳を飲んでいます。ほぼ本能で体が動いているので、頭は情報整理に費やしましょう。
では、スキル効果を見ていきましょう。
エントリナンバー1番!【異界の魂】さんでーす!
『【異界の魂】
異世界から迷い込みし魂。この世界の理から外れている。 』
意味深。それだけだな。今のところ、効果がない。次!!
『【理の声】
レベルアップやスキルの獲得などを知らせてくれる脳内音声。アナウンス。システム・メッセージ。 』
だから?まぁ、定番だね!次々、いこう!
『【自動翻訳】
言語、文字を、相互で自動的に翻訳する。
【能力閲覧権】
能力を閲覧する。対象が、己より上位の存在だと、無効となる。レベルアップにより、制限解除。
【指揮】
【群れの一員】に、このスキルと同レベルの【連携】のスキル効果を与える。
【共鳴】
群れ全体で、経験値を共有する。進化共鳴を引き起こす。
【爪牙術】
爪と牙を使った戦闘術。
【遠吠え】
鳴き声によって、情報を伝達する。草食動物に威圧の効果。
【獣の毛皮】
物理的攻撃に耐性を得る。
【異界人】
異世界の住人である証。【異界の魂】【自動翻訳】を獲得。
【転生者】
前世の存在を自覚している証。【理の声】【能力閲覧権】を獲得。
【群れの長】
群れを率いる証。【指揮】【共鳴】を獲得。 』
ふぅ。【異界人】と【転生者】が分けられている理由はなんだろうか?転移者とか、ありそうだが、なんか違うのか?
あ、ついでに
『【群れの一員】
群れに所属する証。【群れの長】のスキル効果の影響を受けるようになる。 』
うん、そのまんまだ。
よしよし、お腹いっぱいだ、おやすみ。
パラメータ
筋力:文字通り、力の強さを表す。
体力:文字通り、継戦能力を表す。
魔力:魔術の威力、耐性を表す。
技巧:肉体の制御能力を表す。
敏捷:動体視力、思考速度、瞬発力などを表す。
*実際の攻撃力や最大速度は、筋力、技巧、敏捷の値が互いに影響し合う。
一応、書いときます。よろしくお願いしますね!