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風紀係の三崎さん

あたしらの学校は、世間ではお嬢様学校と呼ばれてるらしい


でも、中身は普通の女子高だと思う、ただ、規則がうるさいのは確かです


服装は特にうるさくて、スカートのウェスト巻き上げてるのばれたら、ソッコーで教員室行きでお説教の嵐


髪の毛も、最近は多少のブリーチにはゆるくなったけど、もろ茶髪にしたら停学必至、そういう意味では厳しい学校かもね


勉強も詰め込みで、七限までびっしり授業あるから、授業の間の休み時間は5分しかありません


しかも、先生によってはチャイム鳴った後もボードにテクスト貼り出したりして、休み時間消える事もよくあります


この日も英語の先生が、チャイムが鳴る寸前に長いセンテンスの課題を出したもんだから、みんな書き取りに必死になって、休みが飛びそうでした


「あー、ダメ、あたしトイレ行く! あとでノート写させて!」


隣の席の美香が、そう言って飛び出していきました


まあ、こういうのよくあるので、そういう時は仲の良い友達でノート融通します


それから3分後、美香がなんとも表現のしようがない奇妙な顔で戻ってきました


怒っているような、それでいてわらっているような…


「なにがあったの?」


あたしが訊くと、美香が言いました


「B組の風紀委員の三崎さんいるでしょ」


「ああ、教員の犬って言われてる人よね」


「そうそう、あいつにさ、さっきトイレで文句言われたのよ」


美香の説明によると、慌てて個室に駆け込み用を済ませた美香は、そのまま教室に戻ろうとトイレの出口に向かったのだそうです


すると、突然個室の一個のドアがバタンと勢い良く開き三崎さんが飛び出してきて、美香に文句を言ったのだそうです


「用を済ませた後に手も洗わずに戻ろうとするなんて、わが校の生徒として、いえそれ以前に女子として恥ずかしくないの!」


そう言って三崎さんは、美香の生徒手帳を出させて、自分の手帳に名前とクラスを書き込んだのだと言う


ようするに後でチクるっていうアピールね


「それでさ、むかついたんだけどさ、三崎さんが手帳たたんで先にトイレから出て行ったの見たらさあ」


そこまで言って、美香は笑い出した


「あいつ、よっぽど慌てて個室出てきたのね、スカートの後ろの裾がさ、パンツに入り込んで捲れてたのよ」


「ああ、たまにやるわ、あたしも、普通直ぐ気付くけど」


「でも、あいつ気付かないで廊下歩いていくから、黙って見送ってやったわ」


「ふーん、じゃあ、今度風紀の先生に、パンツ見せて歩いていた風紀委員が居ましたって報告しなくちゃね」


あたしと美香は、けらけら笑ったけど、すぐに次の授業のチャイムが鳴りました


女子高生は忙しいのです


スカートを直すの忘れるくらいにね

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