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末席神の東方奇譚

末席神の東方奇譚 続弐

19時から3時までの8時間で、末破、末奇、龍嫁と3本仕上げたので誤字脱字多いかもです。


これは、天界で居場所のない神が、日本の神社で居候する物語である。




『たまには遠出してみるもんじゃのぅ』

今夜は、普段行かない2つ隣の町まで足を伸ばした甲斐があって、変わったプリンもゲットできた。


『何より雑誌が2日遅れでないのが気に入ったのじゃ』


『しかし、昼間のように賑やかだったのう、人間は睡眠必要なのに、何時寝るのじゃろ…』

あの町の人間は新タイプなのか


そんな事を考えていると声を掛けられる

「君、一寸良いかな?この辺の学校の子かな?」

振り向くと『警察官』だった。



結論から言う

()()され交番に連行された




「名前は?」

『じゃから!名前はメディアで、隣町の神社に住んでるのじゃ!』

「学校は何処かな?」

『魔界の学校なら卒業した』

「歳は?」

『6桁から数えておらん!』

「出身は?」

『天界』

「…」

警官は、額に手を当てて頭を振りながら困っている。

嘘は言ってないのに…


「すみません!ウチの馬鹿(居候)が御厄介になってると、連絡を受けた神社の者です」

『六瓢~助かったのじゃ』

泣きながら抱きつこうとしたら、又もや頭を鷲掴みにされる

『おおぉぉ…』

「ご迷惑掛けて本当にすみませんでした」

そう言ってお辞儀をし鷲掴みの儂の頭をテーブルに押し付ける

『ぐお』

「あ、いえ、身元がはっきりしているなら別に…此方の書類にだけサインを…」


もう、あまり関わりたくないのか、早くサインして帰って貰いたいみたい。


本当にすみませんでした。と出るときにもう一度頭を下げる六瓢


交番が目視出来ない距離に来ると掴んでた頭を離され地面とキスをする。


『痛いではないか』

非難の声をあげると六瓢はプックッ吹き出し笑いだす

「あはははは、アンタなんで補導されてんのよ!職質じゃなく補導って…」

それ、儂も警官に聞いてみたいわ

「大体、マイナンバーどうしたのよ、アンタ納税してるし貰ったでしょ」

『そんなもん、どっかに仕舞い無くしたわ』

「威張って言うな」

はい


帰りに向かい歩いていると、後ろから白い着物の女児が着いてくる

『な、なあ六瓢…御主にお客様らしいぞ』

「アンタにじゃないの?」

前を向いたまま会話をする


『儂、今日はへブリーズ持ってないぞ』

「何それ、消臭ミストじゃない」

『いや、ネットで幽霊に効くってやってたのじゃ』

「また、アンタはネットに毒されて…」

『本当じゃて…』


「あ、あの!?」

ようやく声をかけてくる少女

「神様達ですよね」

「御願いがあって…聞いていただけますか?」


話によると

彼女は雪女で、彼女の双子の姉を捜して欲しいとのこと

『どうすんのじゃ?』

「どうするって…放って置けないでしょ」

『人間じゃないし、此処は御主の神佑地の外じゃろ、良いのかの?』

「困っているなら妖怪も人間も無いわ、神佑地は…後で此方の神に話をつけるから」

そう言うと、雪女ちゃんの前で、しゃがみ込んで目線を合わせ

「それじゃあ、最後にお姉さんと離れた所、何処だか言える?」

そう質問する

先程までの儂に対する態度と大違いじゃ


なんでも、港の倉庫の辺りではぐれたらしい

『港の倉庫って事は隣町に戻るのか…』

「アンタ、もう補導されないでよ」

そう釘を刺される

何度もされてたまるか



やがて、倉庫に着くが何処に居るのか皆目検討がつかん

取り敢えず、色んな倉庫をぐるぐる回り調べていると一台のトラックがやってくる

「いやーしかし思わぬ拾い物だよなオイ」

「ああ、全くだ、冷房切っても冷たいままで電気代浮くし言う事ないぜ」

そう言うと倉庫を開ける

その中から、飛び出してくる雪女ちゃんそっくりの女児

「おっとっと逃がさねーぜ、エコ冷房娘」

変な名前つけてる


「ちょっと、そこの2人!」

ああん!?

六瓢にガン飛ばすし勇気あるのぅ

儂なら六瓢がキレる前に即ごめんなさいするわ

「その子、返しなさい、返さないなら罰あてるわよ」

『なあ、六瓢がマジギレする前に返した方が良いと思うがの』

そう人間の男共に警告してやる

「うるせーチビ!ガキは黙ってやがれ!」


は?


『誰がチビじゃ!』

掌底を食らわし、オッサン1号を吹っ飛ばす。

「さあ今のうちに逃げなさい」

いつの間にか六瓢が雪女達を逃がす。

『儂のどこがガキだって?』

もう一人のオッサン2号に詰め寄る

「お、俺はそんな事を言ってねーし」

『じゃあ、どんな風に見えるか答えてみい』

「え…あ…」

『言葉に詰まるな!余計悪のじゃ!』

回し蹴りで吹っ飛ばす。


その時

「こらー何やっとるか!」

遠くから警察官が走ってくる

ヤバい

また補導される


『おい六瓢にげ…』

言いかけて振り返ると

六瓢は既に、警察官がやって来るのと逆方向に逃げ去っていた。

『置いてきぼりか!』

フランスの怪盗3代目のように逃げ出す

もう嫌じゃ

二度と遠出はせぬぞ


『もう補導は嫌なのじゃああああ』


そう港に居候神の嘆きの声が木霊するのだった








読んで頂きありがとうございました。


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