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True  作者: 山田助兵衛
17/27

互いの真実━━鷹子

続きます。イヤ、ホントに続きます!長らくスイマセンデシタ…(--;)。

 もう何度目になるかも分からない、やけに縁のある保健室。僕らはそこに覚悟を決めて中へと入った。

「……真一。その格好何?」

「ぅおぃ」

 僕らの覚悟を返せ。━━てか空気読めポンコツ愛美。

「いやだって……ねえ?鷹子ちゃん?」

「ええと、ボクに振られても……」

「…………(赤)」

 見ろ、優季ちゃんが申し訳なさそうに俯いてしまったではないか。上半身ジャージのどこが悪い。

 実は、僕のシャツは思い切り泣いた優季ちゃんの涙と……(ごにょごにょ)によってひどい状態になってしまったのだ。

「とにかく!細かい事は気にする……な?」

「?━━どうしました、センパイ?」

「……鷹子だよな?」

「??……はい、ボクですけど……」

 ベッドで半身を起こし、いつものポニーテールも解いて少し不安げに身を縮こませるこの美人が……鷹子?

「━━ふんっ」

「げふっ!」

 突然横から肘鉄を喰らった。

「あ、すいません先輩。なんだかボーッとしていたのでつい」

「今『ふんっ』とか気合い入れてなかった!?」

 しかもしっかり両手を組んでいたように見えましたが!

「ほらほら、じゃれてないで二人ともこっちにおいで。みんなでお話しするんでしょ?」

 ひらひらと手を振る愛美がちと憎たらしいが、とにかく優季ちゃんと並んでベッド脇の椅子に座った。

「さて……この愛美さんが色々と鷹子ちゃんにお話を伺いまして」

 むう……愛美のくせに腰に手を当てて偉そうな。

「まあ、ざっくり言うと鷹子ちゃんって男の人が苦手なんだって」

「ざっくり過ぎだろ!」

「でもそこが大事なところでしょ?」

「む……」

「そしてたぶんここにいる皆がそれを知ってて知らんぷりしてた」

「…………」

 よもや愛美に返す言葉も無いような日が来ようとは。

「━━愛美先輩」

「なに?鷹子ちゃん」

「後はボクから話します」

 そう言って、鷹子はぽつぽつと自分の事を語った。本当は昔から男子が怖かった事。それでも子供の頃から背が高く、生まれつき腕力が強かったせいもあり、自然と他の女子から頼りにされてしまった事。

「そして……自分の事を『ボク』と呼ぶようになった頃には、もうこんな態度しか取れなくなってしまって。だから━━」

「その()()で出会い頭に僕をぶっ飛ばしたのだな」

「……すいません」

「あ、いや。ちと懐かしく思い出しただけだから」

 鷹子に自業自得、みたいな言葉を言わせたくなかったのだが……。今の鷹子にはそれすら通じない。━━いや。こっちが本来の鷹子なのか。

「そうですね、一度ボクがある男子を『うっかり』本当に絞め落としてしまってからは、あまり表立って向かってくる男子も減りましたのでつい……」

「なるほど…………え?」

 『うっかり』で普通絞め落とすものですか?

「あ、センパイにはこれでも手加減していました」

「まぢ??」

「すいません……」

 今度はさっきと違う、少し恥ずかしそうな『すいません』だった。

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