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気が進まない飲み会へ

「やぁ! ショーマ君!!」


 ギルド前に着くと、あの日と同じようにアースが待ち構えていた。

 というか、なぜか俺以外のみんなが揃っていそうな気がする。


 あの日以降、俺は気が気じゃないまま当日を迎えた。

 もちろん、この日を迎えるまでに、だいたい一通りのメンバーに会う事はあった。

 その時は普通に話していたけど、今日は違う。


 まず第一にお酒が入る事。


 それはカイトやセシリー、クレイで分かっている事だけど、お酒を飲むと人は変わる。一人でさえ手を焼くのに今日は多くの人が集まり、ほとんど人は未知の領域だ。

 それが吉と出るか凶と出るか……で言えば間違いなく凶だと思う。

 なぜか、俺の勘がそう告げている。


 第二にたくさんの人が集まるという事だ。


 特にアースやミリアは何をしでかすか分からないし、他にも絡み酒のカイト、泣き上戸のクレイ、暴れ馬のゼクス、甘えてくるセシリー……は良いとして、後は未知数の戦力がいるし、それらが集まるとどういった化学反応を起こすか……俺はビッグバーンが起きる気がしてならない。



「あれどうしたの? 元気ない?」


「いや、早く来たつもりだったけど、みんないたからびっくりしてな」



 俺は半分、本当の事を言う。

 

「あぁ、だって主役は遅れて登場って言うでしょ? だから、みんなには夕方集合って言ったんだよ」


 いやいや!

 それだと俺がただ遅刻したみたいになるじゃないか!!

 それに遅れて登場って、何か意味違う気がするし!!


「さぁみんな待っているんだよ、早く!!」


 呆気に取られて呆れ怒りを覚えていると、アースは俺の手を引いてみんなの方へと連れて行く。

 俺は誰のせいだと心で訴えながらもアースだからどうしようもないと、もう反射的に心で負けて、引きずらながら、みんなのところへ連れて行かれた。


◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇


「遅かったな、ショーマ」


「俺のせいじゃねぇよ、アースに夜集合って言われたせいだ」


 みんなの元に行くと、まず目があったクレイに声をかけられた。

 アースのせいで遅れてきたことで、すでに数人ずつのグループに分かれていて、話が盛り上がっているようで、奥ではセシリーやミリア、カイトやネリーさんといったメンバーが話で盛り上がっている。


「あぁ、そうか。そりゃ仕方ないな」


「だろ? でも、なんでクレイも参加してるんだ? それにルークスとゼクスも」


 そして、俺に声をかけてきたクレイの方には、クレイの他にルークスとゼクスもいる。

 所謂おっさんグループだ。


 まぁルークスはおっさんと違うけど。


「いや、俺は……ほら、ほっとくとどうなるか分からないだろ?」


 そう言ってクレイは意味深に言うと、ちらっとアースの方を見る。

 なるほど、お目付け役って事か。


 クレイからすれば、自分の管轄で自国のSランク冒険者が粗相をしたら困るだろうしな、仕事の一環って事か。


「僕もそうかな? ほっといてどうにかなかったら困るし」


 そう言って、ルークスは俺を見て微笑む。

 こいつ……わざとイラつかせる言い方してるな。

 やっぱり国王と王子からの差し金か。


「俺はアースのおごりで酒が飲めると聞いてな、仕事があって無理だと思ったんだが、国王様がたまには息抜きして来いっ直々に言ってくれてな。今日はお言葉に甘えて飲むぜ!」


 ……国王もなりふり構っていないな。

 でも、ゼクスを送り込んでも酒の席では役目を果たさないだろうに。

 とりあえず数を送り込もうという作戦か。


 という事は、この三人はこれも仕事の一環って事か。

 仕事上の飲み会は苦痛って聞いた事あるけど……おそらく飲み始めたらこいつらには無縁だろうな。

 ルークスは未知数だけど、こいつは普段からマイペースだし。


「あっ、ショーマさん!!」


 クレイ達と話している間に、アースがセシリー達のところへ行き、俺が来た事を知らせたのか、俺に気付いたセシリーが名前を呼んだ。


「じゃあ、主役も遅れて来た事だし行こうか!」


 それと同時に、幹事のアースが本来の言いたかった事とは違うニュアンスで、何か俺が悪いような感じにみんなに伝わり、ムーン・ライトへと向かった。


◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇


 ムーン・ライトへ向かう道中、歩きながら俺はみんなに事情を説明して、俺が遅刻した訳ではないという誤解を解く事に専念した。

 そして、そうこうしている間にムーン・ライトへと着く。


「はーい! みんないる? はぐれてない?」


 入口の前でそう言うアースに、内心でおまえとミリアがはぐれてなかったら大丈夫だろと、つっこみ、その意味を込めた視線をアースに送るが、あいつがそれに気付くはずがない。

 そうしている間にアースは「じゃあ入るよ!」と言って扉を開け、それに続いてみんな入って行く。


 俺もみんなに続いて中に入ったが……


「なんでここに!?」


 そこには予想外の人物がいた。


ネット小説大賞の一次通過に伴って、誤字等の修正を行っていました。

その中で、『討伐作戦と主の願い』の話の冒頭に違和感を覚え、元になっているワードのデータを確認したら、冒頭の文章を飛ばして投稿していたのが発覚しました。


なので、その部分は加筆修正を行っております。

物語の進行には問題ない部分ですが、申し訳ありませんでしたm(__)m

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