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魔族を疑ってみた

大変遅くなりましたm(__)m

「我は史上最強の魔王ショーマなり!!」


 任意開口一番、厨二病末期のようなセリフを吐く。

 いや、こうやって自分を慕ってくれていた者を疑うには、こうでもして気合を入れ直さないと気が持ちそうにないのだ。


 すると、俺のセリフに静寂に包まれていた王の間は、「魔王ショーマ! 魔王ショーマ!!」と俺を称えるように王の間に声が鳴り響く。


 あぁ……気分が良い……じゃない、ちゃんとしないと!


 それにしても『魔王ショーマ』って連呼されると『小魔王』に聞こえてくるな。

 って、そんな事言ってる場合じゃない。


「皆の者静まれ!」


 俺は本題を切り出すべく、静まるように言うとピタリと声が消える。


「我がこの度戻ったのには理由がある! それは我の計画……人間と魔族の共存を目指す事を妨害しようとしている者がいないか確認しに戻って来た!」


 俺はあえて『計画に反対』ではなく、『計画を妨害』という直接的な言葉を使った。

 すると、その意図が伝わったのか、自分たちが疑われていると思った魔族からはどよめきが沸き起こる。

 そんな中、俺はその中に驚いていない者とか違った反応をしている奴がいないかを見渡しながら探る。


「ショーマ様、よろしいですか?」


 どよめきの中、俺の隣に立っていたセバスが声をかけてくる。

 すると、それに気付いた他の魔族は口々に開いていた口を閉じ、王の間は再度静寂に包まれた。


「……良い、申してみろ」


 セバスが食いついて来たか……さて、これからどうなる?

 俺は何かあればすぐに対応できるようにしながら続きを促す。

 すると、セバスが「それでは」と言って話し出した。



「無礼を承知の上でお聞きします。先ほどのショーマ様の発言からは我らの中にショーマ様を裏切っている者がいるのではないかと聞き取れましたが、その通りなのでしょうか?」


「あぁ、そうの通りだ」


「それは何か理由があっての事でしょうか?」


「あぁ、魔物を召喚する魔法陣だ」


 そして、俺は洞窟にあった魔法陣の事を話す。

 それと合わせて人間の大陸であった異変、オークキングとゴブリン王の同時復活、アンデッド化したドラゴンの事を話した。

 その上で、人間には出来ないような魔物や魔法陣と言った異変があった為、こうやって戻って来たとみんなに伝えた。


「……」


 俺の話を聞いたセバスは黙りこみ、王の間も静寂に包まれた中、時間だけが過ぎる。


「再度、無礼を承知の上で申したいのですが……」


 すると、セバスが口を開く。



「良い、続けよ」


「はっ、ありがとうございます」


 セバスはそう言って頭を下げてから、俺の目を見て口を開いた。


「まず、ショーマ様が疑われているゴブリン王とオークキングについてですが、各種族の上位種は突発的に生まれると言われ、我々魔族でも関知していません。それに、アンデッド化したドラゴンに関しても、ドラゴンはこの世界においても上位の存在です。アンデッド化させる方法はありますが、それをドラゴンに行うとなる途方もない魔力を必要としますし普通の魔族では出来ないでしょう。魔法陣についてですが、確かに魔族の中には魔物を召喚する為の魔法陣はあります。しかし、一般的な魔族が呼び出せるのは普通のレベルの魔物です。ショーマ様が仰った地獄の番犬と呼ばれるケルベロスを召喚するには途方もない魔力が必要となります。それに魔物を召喚し続け、その後にケルベロスを召喚するとなると、とても……。以上の事からここにいる者には出来ないと思います」


 そう言ってセバスは再度、頭を下げる。

 そうか、オークキングとゴブリン王に関しては魔族ですらその発生の理由は分からないと。

 そして、魔法陣でケルベロスを召喚するにも、ドラゴンをアンデッド化するにも普通の魔族の魔力では無理だと。



「そうか、分かった。ちなみにドラゴンのアンデッド化、魔物の召喚を続け、ケルベロスの召喚を行うにはどれくらいの魔力が必要なんだ?」


「……おそれながら魔王様程はないとできなかと」



 そうか、俺くらいの魔力が必要か。

 そうなると魔族の線は薄いだろうな。

 魔王城にいる時に模擬戦とかしてたけど、それらしい奴はいない。


 もっとも実力を隠しているってのもあるかもしれないけど。

 でも、少なくとも俺には思い浮かぶ奴はいない。


 まぁもっともセバスの話を信じるなら……だけど。

 でも、セバスの目を見ると嘘をついているようには見えないし俺は慕ってくれるものを信じたい。


「……分かった。疑ってすまなかった」


 俺の言葉に再度、王の間はどよめきが起こる。

 それは自分達の疑いが晴れたからか、俺が謝ったからか分からない。


「ショーマ様、よろしいですか?」


 すると、再度セバスが俺に声をかける。



「なんだ?」


「我ら魔族はショーマ様について行きます。ショーマ様を裏切るような事は絶対致しません」


「あぁ、疑ってすまなかった」


「いえ、違います。そのような事を申しているのではありません。我ら一同はショーマ様と一心同体、命を捧げます。なので、今こそ我々と『命の盟約』を結んで頂けないでしょうか?」


更新遅くなり申し訳ありません。

いろいろとあって……できるだけ毎週一回は最低更新できるように頑張りたいと思いますので、これからもよろしくお願いしますm(__)m

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