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フレア帝国のSランク冒険者

本日、四話目!

「セシリー大丈夫か?」


「大丈夫です!」



 森へと入って一時間くらいだろうか?

 森の中には多くの魔物がいて、俺とセシリーはそれを倒しながら森の中を進んでいる。


 なぜ俺とセシリーが二人でいるかというと、今回の依頼は森の魔物を駆除する事だ。

 そこで、森に入る時にアースが分かれて散策しようと言って、分かれて行動する事になった。

 ちなみに二人きりだからシシリーと呼ばずセシリーと呼んでも怒られていない。


 元からアースの魂胆で、こうやって俺とセシリーで行動させるつもりだったのだろう。

 うまい事、「ショーマ君とシシリーちゃんはは一緒に依頼受けたりしてるでしょ? だったら連携取れるよね?」って言って、俺とセシリーをペアにして、自分とミリアをペアにして、別行動で魔物を討伐することになった。


 あいつ、こういうところは本当に用意周到と言うべきかなんていうか……。


 ちなみにカイトはというと、「カイト君はソロで行動してるし大丈夫だよね? それにSランク冒険者なんだから」とアースにばっさりと切られていた。


 まさかの自分が先生と仰ぐ(先生と言っても恋愛相談だが)人間に見捨てられたと少し落ち込んでいたが、可哀そうに思った俺が「ネリーさんは頑張ったカイトを褒めてくれるって」っていうと復活した。


 単純な奴だ。


 そうして、俺とセシリーは一緒に森に入ったのだが、聞いていた通り魔物は多い。



「キュウ?」


「ありがとうクロちゃん、大丈夫だから」



 疲れが見え始めているセシリーを心配したクロが近づくと、セシリーはクロの頭を撫でる。


「それにしてもこの数は異様だな」


 ここに来るまでの一時間ちょっとの間に、二十体程の魔物を倒している。

 聞いていた話より断然に多い。



『俺は多い方が嬉しいけどな!』


『おまえには聞いてない』



 グラムは嬉しそうにしているけど、これは放っておけない事態だ。

 しかも、何か特定の魔物が繁殖しているとかそういうのではなくて、熊型の魔物、鳥型の魔物、戦闘狼……いろんな種類の魔物が出てくるしそういう訳ではないようだ。



「そうですね、ここまで魔物が多かったら我が国もギルドも、もっと事を大きく扱うと思うのですが……」


「じゃあ国やギルドが情報を得た時から後になんかあったって事か」


「おそらくは……」



 いったいなんだってんだ?

 アースじゃないけど、本当にアースが言ってたみたいに最近は異変が多い?

 しかも、魔物が絡んでいる……まさか、魔族の中に俺を裏切った奴が……?



「ショーマさん、どうしたんですか?」


「いや、何もない……行こ――っ!? セシリー!!」



 何やら戦闘音が聞こえる。

 俺達は森の入り口で三方向に分かれて進んでいたから、アース達やカイトではないはず。


「はい! 行きましょう!!」


 さらに俺とセシリーは音の聞こえる方へと走った。



◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇


 音のする方へ走って行くと、次第にその音は大きくなり動いている影が見えるようになってくる。

 そして、見えてきた光景は一人の人影の周りを複数の影が動きながら取り囲んでいるというものだった。


 すると、人影を取り囲んでいる影はいっせいに飛びかかろうとする。


「っ!?」


 それ見た瞬間に駆け付けようとしたが、それより先に人影は素早く動き、襲ってくる影を切り捨てた。

 予想外の光景に驚きながら近づくと、やがて人影の姿が露わになる。

 

「誰だ? おまえは?」


 近づくなり早々、剣先を俺の方に突き付けながら言葉を放つ人物。

 長い黒髪に凛とした黒目、その顔立ちは綺麗なモデルと言った感じだ。

 身長も高い方だと思うし、スタイルも良い。


「俺はセイクピア王国の冒険者だ。依頼でこの森に来ている者だ」


 俺は敵意がないのを示すように両手を上げながら自分の素性……と言っても偽りの素性を(もちろん魔王と言うのは言えない)告げる。

 すると、それを聞いた相手は剣を下げた。


「すまなかった。私は――っ!?」


 言葉の途中で女は剣を振り上げる。

 それと同時に俺もグラムを振るった。



「……やるようだな」


「そっちこそ」



 俺と女の剣は襲いかかてこようとした鳥型の魔物を切り捨てていた。


「はぁ~……ビックリしました……」


 事の一部始終を見ていたセシリーは、俺とこの女が戦い始めるのではないかと思ってびっくりしたようで胸に手を当て安堵している。



「……そっちの女は?」


「あぁ、この子は――」


「私はシシリー、この方と同じセイクピア王国から来た冒険者です」



 俺が紹介しようとしたところで、セシリーは自分で自己紹介した。



「そうか、セイクピア王国もこの森に依頼を出してくれているのだな」


「セイクピア王国もって……じゃあおまえはフレア帝国の?」



 この森はセイクピア王国とフレア帝国の交易ルートにある森だ。

 という事は、今の言い方だとセイクピア王国の人間でないって事になる。


「あぁ、私はフレア帝国Sランク冒険者カレンだ」


ランキング入りは無理そうですが、せっかくなので明日も複数話投稿しますので、よろしくお願いしますm(__)m

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