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相談という名の拷問と更なる悲劇

遅くなりましたm(__)m

「なるほど……」


 俺は物凄い勢いでミリアに引っ張られ、その後ろに微笑みながらついてくるアースと一緒にさっきまでカイトと入った店へと戻ってきた。

 店に入るとカイトはすでに店内にいなかった。


 さすがにこの店に男一人でいるのは肩身が狭かったのだろう。

 少し悪い気もしたが、それだけの精神的ダメージを受けたのだから許してもらおう。

 それに俺は店員に「こいつまたきやがった……」見たいな目で見られたし(俺にはそう見えた)これで痛み分けって事で。


 そして、店内に入って俺達は俺の対面にアースとミリアが並んで座るというような形で向かい、相談という名の尋問がミリアから繰り広げられた。


「ショーマさん、女性というのは――」という女性に対する哲学から入り、「女性としては――」という女心を経て、「そこまで行ったなら後は押しです! 押しの一手なのですよ!!」という精神論にまで至る話をかれこれ一時間ほど聞かされている。


 ちなみに、俺はその勢いに押され相手を伏せたまま、今までの経緯を話してしまった。

 何かの悪徳商法でこんなのがあったかもしれないけど、俺の精神は耐えきれずについつい話してしまったのだ。


 今思うと、俺のいない間にこれを何度か味わったであろうカイトに同情と悪かったという気持ちが芽生える。

 今度謝って酒でも飲みに行こう。



「それで好きな相手はシシリーって子だね」


「っ!?」



 アースの言葉に驚き、声も出せずに固まってしまった。

 なぜ相手の名前は出してないのにそれを……。



「イヤ、ソンナコトアルワケナイダロ?」


「……正解みたいだね」



 必死に誤魔化そうとするけど、その努力もむなしく、動揺でカタコトになってしまいアースに通じなかった。

 こいつこういう時だけ……。



「はぁ~……」


「認めたって事だね。よし、じゃあ今度四人で依頼を受けに行こう!」



 ……はっ?



「それはいいです! 私とアース君でフォローして二人は結ばれ……あぁ! 凄くいいです!!」


「決まりだね! でも、どこに行けばシシリーちゃんに会えるのか……あっ、ショーマ君会ったら誘っといて」



 ん……?



「そうですよ! 私たちがフォローするのは当日のみです! きっかけは自分で作らないといけません! じゃあアース君、依頼を探しに行きましょうか?」


「そうだね、ミリア。じゃあショーマ君、またね!」


「ちょ、ちょっと待てよ!!」



 俺の言葉もむなしく、二人は立ち去って行く。


 いやいや!

 まず勝手に依頼一緒に受けるとか話進んでるし、あの二人シシリーがセシリーって気づいていないのか!?


 てか、Sランク冒険者なのにギルドから聞いてないのか!?

 まぁきっと、アースやミリアに言ったらセシリーに陰で見守っているのがバレるからだろうな。

 こいつらは素直というかバカ正直だから。


 でも、Sランク冒険者の観察眼はどうなっているんだ!?


 変装はしてるけどカイトも気付いていると思うぞ……あいつの場合は俺の好きなのがシシリーであるセシリーって気づいてないだけで。


 それにしても呼び止めても放っていかれるのってこんな気持ちなのか。

 カイトに謝らないとな。


 俺は二つの意味でカイトの気持ちを思い知りながら、アースとミリアの背中をただ見送る事しか出来なかった。



◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇


「カイト、さっきはすまなかった!」


 店を出た俺は宿屋に戻ろうとしたところ、道を歩くカイトを見つけ、すぐさま駆け寄り頭を下げた。



「ショーマ!? どうしたんだ急に!?」


「俺は自分の行いが悪かった事に気付いた! 謝る! だから助けてくれ!」


「いや、俺は別に何も気にしてないからいいけど……それより助けてくれってのは?」


「アースとミリアだ!」


「あぁ……」



 すると、カイトは何かを察知したように、苦笑いしながら言葉を漏らした。



「何があったんだ?」


「聞いてくれ! 実は――」



 何か立場が逆転しているような気がしたけど、あの二人にメチャクチャにされる訳にもいかないので、俺はプライドを捨てカイトに頼る事にして、すべてを話す事にした。


「そうか、まさかショーマの好きな相手がセシリー様とは……」


 すべてを話す事にして俺だが、道で話すような内容ではないと、どこかのバカ勇者みたいな事を犯す前に気付き、さっきの店へと戻った。

 店員に不審な目で見られたけど、それどころじゃない。


 あの二人の暴走を止めなければ。


 俺はその一心で再度、カイトと向き合いすべてを話して相談した。


「それはまぁ……今回は置いておいて、今はアースとミリアだ! あの二人の暴走を止めるの手伝ってくれ」


 あの二人にフォローなんてされた日にはフォローじゃなくなる!



「……いや、ありかもしれないぞ?」


「えっ……?」


「だって相手はセシリー様だろ? このままズルズルいっているようだと、見合いの話も出てきかねない」


「それは……」


「この機会にもっと距離を近づけてみたらどうだ?」



 ヤバイ、何か話の方向が……。



「よし、俺も一緒に行って協力しよう!」



次回の更新ですが、次回は来週半ばに一回の更新とさせて頂こうかと思います。


と、いうのも、一度ランキング入り出来るか? と試してみようと思い、ストックを作って複数話連続投稿しようと思ったからです。

具体的には16日(月)、17日(火)と二日連続3~5話ずつ投稿したいなと考えており、少し時間を頂けたらなと思った次第です。


申し訳ありませんが、16日(月)と17日(火)には多く投稿致しますので、来週の更新が一回というのはご理解頂けたらと思います。


これからもどうかよろしくお願い致しますm(__)m

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