表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

64/133

クロの活躍とアンデッド・ドラゴン

遅くなりましたm(__)m

「さてと、どうやってこいつを倒そうか」


 俺はアンデット・ドラゴンを見据える。

 ラノベやアニメの知識が通用するならこういったアンデッド系はその匂いや息で状態異常を起こすのが相場だ。


 さっきセシリーに向かって吐いたブレスもそうだ。

 直撃は避けたけど周囲に異臭がしたし。


 さすがに、魔王の俺にはそんなものは影響ないけど、嗅覚とかは刺激を受けるし戦いに影響が出る。

 さっきから飛ばないところを見ると、アンデッド化した事で翼が腐り、飛べないのかもしれないし、出来れば遠くからの魔法とかでなんとかしたいけど……。



「あまり大きな音を出すと、セシリーが心配して引き返してくるかもしれないし」


 それはそれで倒せたとしても俺にとっては、良くない事だ。

 俺は魔王だから、アンデッド系に有効な神聖魔法は使えないのだ。

 だから、あのアンデッド・ドラゴンを魔法で倒そうとすると、必然的に威力の大きな魔法を使う必が出てくる。



『なんで今回は黙ってるんだ?』


『いや~それは分かってるだろ? いくら剣とはいえ、あんなの好んで斬りたくねぇよ』


 まぁ確かに魔剣だし影響はないだろうけど、あんなの見て好んで斬りたいとは思わないわな。

 生理的に無理って奴か。



『でも、やってもらうぞ?』


『分かってるって。あ~今回はついてない事ばっかだ!』



 俺は嫌がるグラムを持ちアンデッド・ドラゴンに向け構える。

 そしてクロには待機しているように言った。


 いくらクロがドラゴンとは言え、相手のアンデット・ドラゴンは大人の大きさだ。

 どんな攻撃をしてくるか分からない以上、クロには危険な目を合わせられない。


 意味が伝わっているかどうかは分からないが、クロはなんとなく理解してくれているように見える。



『よし、行くぞ!!』


『あぁ! こうなりゃヤケだ!!』


 俺はグラムに声をかけ、一気にアンデッド・ドラゴンへと肉薄する。


「うぉぉぉおおおおお!!!!」


 俺の動きにアンデット・ドラゴンはついてくる事が出来ずに、一気に懐に入る。


「くらぇぇえええええ!!」


 懐に入った俺は、アンデッド・ドラゴンの翼を切り落とすようにグラムを下から上に振り上げる。


『グォォォォオオオオ!!!!』


 奴は片方の翼を切り落とされた痛さを感じているのか、俺が攻撃した事に怒りを覚えたのか分からないけど、咆哮を上げる。


『ショーマいそげ! もう再生しはじめているぞ!!』


 グラムの言葉に翼の切り口を見る、すでにそこから何かが伸び始めている。


「くそ、しぶとい奴だ!!」


 このままでは再生されると思った俺は再生が間に合わないようにアンデッド・ドラゴンのブレスや爪を避けながら攻撃を浴びせる。

 しかし、俺が攻撃を加える速度に合わせて再生速度が増していく。


 なんだこれは……?

 アンデッド系の魔物でこんな再生能力持つってのは聞いた事がないけど……ドラゴンがアンデッドになったからか?

 それとも小説とかと違って本当の異世界はこういうものなのか……それとも……?


『ショーマなにしてる!!』


「っ!?」


 目の前の再生速度に気を奪われていると、アンデッド・ドラゴンの爪を跳躍で避けたところにブレスを吐かれた。

 マズイ! 間に合わない!!



「キュウ!!!!」


「クロッ!?」



 その時、俺の後方からクロが現れ、アンデッド・ドラゴンのブレスに対抗するかのようにブレスを放つ。

 すると、クロのブレスはアンデッド・ドラゴンのブレスを押し返した。


 クロの奴、まだ子供だと思ってたら大人のドラゴンに負けないくらい強くなっているなんて……凄い奴だな。

 俺はそんな事を思いながら地面へと着地する。



「クロ、サンキューな!」


「キュウ!!」



 クロが横に来たので、俺はクロに礼を言いアンデッド・ドラゴンを見据える。

 あいつの再生能力は厄介だな。

 さて、どうやって……ん?


 そうやって考えている間に何かしら動くかと思ってアンデッド・ドラゴンを見ていたけど、動く気配はなくずっと一点を見ている。

 そして、その視線の先を追うと視線の先にはクロがいた。


 なんでこいつはクロの事を見ているんだ?

 自分のブレスが弾かれたからか?


『グォォォ……』


「キュウ?」



 何だ? 何が始まったんだ?


 俺があれこれ考えている間にアンデッド・ドラゴンは何やらクロに話しかけ、クロもそれに答えているようだ。

 その様子を見る限り、アンデッド・ドラゴンの方に攻撃してくる気配はないけど……いったい何を話しているんだ?


「おいクロッ!?」


 そのまま様子を見ていると突然クロはアンデッド・ドラゴンの方へと飛んで行く。


 一瞬、すぐに連れ戻そうかと思ったけど、さっきまでの様子が気になるし、何よりクロは頭が良い。

 普通ならこうやってむやみに敵に近づいたりしないし、何か訳があるんだと思うし少し様子を見るとしよう。


 でも、何かあれば全力でクロを助ける。

 俺はそう思いながらもう少しクロを見守る事にした。


クレイにイラスト頂きました!

割烹にあげようとしているのですがうまくいかない……

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ