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アースとミリアが先生に……?

「カイトさん! 女性は待ってるものです! デートのオッケーをもらったなら後は押しの一手なのですよ!」


「いや、でもデートと言っても食事だから……」


「いや、女性が男性と二人で出かけるのは脈ありなのです! そうなったら後は男性の押しですよ! 間違いありません!」


「……」



 あれから結局アースとミリアもカイトの恋愛相談に入ったのだが、アースとミリアがカイトと話し始めて少しすると、乙女モードとでも言うべきか、突然ミリアに何かのスイッチが入ったのか恋愛について熱く語りだし、カイトはミリアに攻め立てられている。


 そして、俺はあれから何も話していない。


「まぁまぁミリア、カイト君もショーマ君もまだまだこれからなんだから落ち着いて」


「アース君……ごめんなさい」


 アースがそう言うと、さっきまでヒートアップしていたミリアが落ち着き、顔を赤くしてアースに謝る。


 いやいや、謝る相手が違うだろ。

 それに、片思い中の俺達の前でいちゃつくな。

 それと、なんでアースはここで俺の名前まで出すんだ。


「おいおい、そこまで言うなら幼馴染の可愛い子を落としたアース君がどういう風に言って落としたか教えて欲しいな」


 俺は目の前の光景にイラッとして、アースに恥ずかしい思いをさせてやろうと思い、ニヤリと悪人顔で意地悪な事を言った。

 アースの隣でミリアが「はぅっ!」ってなんかダメージを受けているけど気にしない。


 カップルは連帯責任だ。


「僕は良いけど……これは僕一人じゃなくてミリアとの思い出だからね。ミリアに許可を得ないと。ミリア、恋に迷える二人に僕たちの事、話しても良いかな? 僕は友達の力になりたいんだけど、ミリアの事が一番だからミリアが嫌だったらやめとく。どうだい? 話して良いかい?」


 アースが顔を覗き込むように問いかけると、ミリアは顔を真っ赤にしながらも首を縦に振る。


 いや、だからなんでアースはいちいちそんな言い方するんだ?

 なんだ恋に迷える二人って。

 それに普通に聞けばいいのになんでそんないちゃつきながら顔近づけて聞くんだよ。


 ちぇっ。


「ありがとう、ミリア。じゃあ話すね」


 そう言ってアースは俺とカイトに向き直るが、俺はこの時点でほぼ聞く気が失せていた。


「僕がどうやってミリアに告白したかだけど、僕とミリアは知っている通り幼馴染でね。


 昔からいつも一緒で二人で本で読んでもらった勇者の物語で冒険者になろうって憧れたんだ。

 それから、二人で一緒に魔法や剣の特訓をして、大きくなって村を出て二人で冒険者になったんだ。

 そして、あれは二人で依頼を受けた時の帰りだった。


 僕はまだその時はBランクの冒険者でね、弱かったんだ。

 それで、運悪く帰りに地竜に遭遇してね。

 僕の剣は通じず、死を覚悟した時だった。


 ミリアが『アース君諦めないで!』そう言ってミリアは僕の前に立って全力で魔法を放ったんだ。

 でも、それでも地竜は倒れなくてね、魔力を使い切って、動けなくなったミリアに近づいて行ったんだ。


 その時、僕はこのままだとミリアが死んでしまう……そう思った時にミリアの大切さに気付いたんだ。

 いつもそばにいて、僕を支えてくれて、自分の危険を顧みずに僕を助けようとしてくれる。

 そんな人っていないってね。


 だから、絶対この子を死なせちゃだめだ、そう思った時に身体から力があふれ出て、その力を感じるままに剣を振るったんだ。

 そうすると、地竜を一撃で倒す事が出来たんだ。


 あとで知ったんだけど、これは魔力操作って奴で僕は無意識に使っていたみたい。

 それで、エクスカリバーを手にするまではこの魔力操作で……ってこの話は良いね。


 それで地竜を倒した後に僕はミリアに言ったんだ。


 僕は君を守れるように強くなる。

 僕は気づいたんだ、ミリアの事が好きだって事に。

 だから、僕の一番近くで見ていて欲しいってね」


 ……御馳走様でした。


 今の俺にはこの言葉しかない。

 よくもまぁ、そんな馴れ初めを恥かしがらずに一人スラスラと……。


「……アース、いやアース先生、俺に恋愛を教えてくれ!」


 しかし、俺の感想とは別に、アースには一人の生徒が出来たのであった。


この作品の略称を募集中です。

もし、良いのがあれば割烹へコメント頂けると嬉しいです。

募集期間は今月いっぱいとさせて頂きます。

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