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めんどくさい事になった

「お、お父様!?」


 突然の展開にセシリーも困惑し、言葉を発する。


「我が娘セシリーよ、わしは闇夜の黒騎士に娘の何かと聞いておるのだ。少し下がっておれ」


 俺がフリーズしていると国王はもう一度聞いている。

 この目……間違いない本気だ。


 でも、なぜ……?


 俺はチラっと周りを見渡すとルークスがニヤニヤと俺を見ていた。あいつ、俺を売りやがったな!!


「それで娘の何なんだ?」


 国王は俺に再度聞いてくる。

 さっきまでと明らかに雰囲気が違う。


 くそ! まさか今回呼び出されたのはこっちの話が本命なのか!?

 でも、闇夜の黒騎士は負けてはいけない。

 それに俺はネリーさんの言葉から学んだんだ、引いてはいけない!


「……我はセシリー王女に忠誠を誓った騎士だ」


「ほう、忠誠を誓った騎士か」


 すると、国王の目力がさらに強くなる。


「良かろう、わしと戦え」


 ……へっ!?



◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇



 はい、現場のショーマです。


 なぜか俺は国王と戦う事になりました。

 ちなみに国王だけではありません。

 王子であるセシリーのお兄さんもです。


 あの後、騎士達は止めようとしたのですが国王は「わしも昔は武で言わせたものだ、娘の騎士を名乗る者の実力を直接見る!」と言い、それに沿ってセシリーのお兄さんも「僕も父と一緒に戦うよ。聞いたところによると、闇夜の黒騎士さんはルークスと互角に戦った言うしね。それくらいいいでしょ?」と言い、俺ごときが何も発言できる事なく、国王と王子は小声で「娘につく悪い虫を払うぞ」と言っていました。


 どうやらこの話が今回呼び出された理由の本命みたいです。

 そして、あっという間に戦いの準備は進められ、模擬戦専用の装備に着替えるという事で俺の闇夜の黒騎士装備は解除されました。

 その横で笑いを堪えていたルークスには腹が立ちました。


 なんで俺は城に呼び出されると戦う事になるのでしょう?

 城は戦うところなのでしょうか?


 ちなみに、セシリーは心配そうな表情で見守っています。



「なんかおもしろい事になったね!」


「いや、全部おまえの手の平の上だろ」



 俺は模擬戦に使用する刃を潰した剣を渡しにきたルークスに言葉を放つ。



「心外だなぁ~。僕だって一応雇われの身だよ? 何があったか報告する義務はあるでしょ?」


 ルークスが悪びれもなく、ニヤニヤと言ってくる。

 こいつ、絶対罪悪感も何も感じてないな。


「……まぁいいや。それより俺はどうしたらいいんだ?」


 ルークスが確信犯ってのもあれだけど、今の俺にとっては目の前の状況だ。

 王族……それも大陸一の国の王と次代を担う、ナンバー2。

 つまり、人間の大陸のナンバー1とナンバー2と模擬戦とはいえ、剣を交えないといけないのだ。


「んー……分からないよ」



 こいつ……。



「そんな怒って睨まないでって! ……まぁ相手は国王様と次期王子様だしね、僕と戦った時みたいに、避けまくって相手に実力を見せつけるのが一番じゃない?」



 ……まぁそれが一番だよな。

 刃を潰した剣でも、王と王子に剣を向けるなんて後々ややこしくなりかねない。


「そうだよな」


「そうそう。まぁ二人とも結構な実力者だから頑張ってね」



 そう言うとルークスは微笑んで踵を返して帰って行く。

 こいつは本当に……。

 セシリーがルークスの教えを得て強い以上、王子もそれなりに教えを得ているだろうし、腕を自負してる国王もそれなりの実力があるだろう。

 

 本当面倒だ。


「いろんな状況下で戦って強くなってね」


 ルークスが振り向いて何を言ったか分からないけど、こうなったからにはやるしかない。


 俺はルークスから受け取った刃を潰した剣を手に準備に入った。



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