表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

131/133

予想外につく予想外

「ついにSランク冒険者か……と言っても三ヶ月後だけど」


 竜王との事や魔物の大群を倒した報告とかを一通り終え、明けた翌日、俺は起きた宿屋のベッドに横になって呟く。

 俺はついにSランク冒険者になる事が出来る。

 それを噛みしめていた。


 国王が言うには先にカイトからの報告を受け、各国に向かっていた魔物の大群が討伐されれた事を通信イヤリングのような魔道具でそれぞれの国と連絡を取り、ドラゴンの助けがあってこの事態を乗り切れたと認識すると、この未曾有の危機を救った立役者である俺をSランク冒険者として認めるという話で一致したらしい。


 正確には竜王に認められたのはクロのおかげが大半なのだが、それを踏まえても俺がクロを育て、この危機にSランク冒険者以上の活躍をした事を評価してくれたみたいだ。

 それで、最初はセイクピア王国のSランク冒険者としてって話だったけど、竜王に認められた男を一国で囲うと戦力のバランスが崩れる事があるという事で、三ヵ国のSランク冒険者として認め、いざという時、三ヵ国間を自由に行き来しやすいようにしたようだ。


 それに関しては俺もありがたい。

 いちいち国を出たり入ったりするのに、手続きするの面倒だからな。


 そして、俺は今までに例をみない三ヵ国のSランク冒険者となる事になった。

 ただ、今までに例をみない三ヵ国のSランク冒険者と言う事で、盛大に式典を行うというのと、三ヵ国が関わるという事でいろいろ調整に時間がかかる為、三か月後となったのだ。


『ようショーマ! これでついにSランク冒険者だな! へたれるなよ!!』


「……クロ、飯食いに行こうか」


「キュウ!!」


『おいショーマ!?』


 俺はグラムをほってご飯を食べに行く事にした。



◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇



「やぁショーマ君、本当に友好の宝玉を手に入れてくるなんてすごいね!!」


「……」



 からかってくるグラムがめんどくさかったのと、本当にグラムの言う通りへたれないようにしないといけないなと思うと変に動揺しそうになったので、ご飯でも食べに行こうかと思ったけど、どうやら俺を落ち着かせてはくれない奴がいた。


「あれ、どうしたの?」


 そう、アースだ。

 俺が宿屋から出て『さぁ~気分転換しよう』と一息吐いたところで聞きたくない声を聞いた。

 アースの斜め後ろにいつも通りミリアがいる。


「いや、ご飯を食べに行こうと思ったところに現れてびっくりしただけだ」


「そっか。でも本当ショーマ君は凄いよ!」


 そう言って満面の笑みを浮かべるアース。

 ご飯を食べに行こうとしてたって言ってるのにこいつは……。


「あぁ、そりゃどうも。まぁほとんどクロのおかげだけどな。じゃあ」


 と言って俺は華麗にスルーを決め――……


「ちょっと待ってよ!」


 る事は出来ずに、いつかのようにアースに腕を掴まれてしまう。

 


「いや、待たない! 俺は飯を食べるんだ!」


「ちょっと待って! 話を聞いて!」


「嫌だ!」


「そんな事言わずに!」



 なんてやりとりをするが、アースは何が何でも腕を離す事はしない様子だ。

 ミリアはアースの斜め後ろで待機している。

 いやミリア、こいつを止めろよ。

 こいつらは本当に……。


 俺は大きく息を吸って吐いてからアースに向き直る。


「……なんだ?」


 なんだかんだでいつもアースの話を聞いてしまう俺。

 魔王は勇者に勝てないのか!?

 ……いや、そんな訳にはいかない!

 そう、これは負けた訳じゃなくて俺が大人の対応をしているだけだ!!


「良かった、話を聞いてくれるみたいで! ……実はショーマ君と手合わせしてみたいんだ」


 アースは俺の内心をよそに満面の笑みで予想外の事をサラッと言ってきた。


この辺りで物語も最終章ですが、久しぶりに書いたので、感想等頂けたら励みになりますm(_ _)m

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ